実は、三菱の気筒休止システムは、1980年代前半にキャブ車に採用されMDシステムと名付けられ、、超希薄燃焼MCA-Jetシステム及びエンジン振動低減のサイレントシャフト(当時は特許の効力あり)と合わせて、軽自動車以上の低燃費を実現した、当時としては画期的なものでした。現在のようにサイレントシャフトの特許が切れ、ほとんどすべての4気筒エンジンにサイレントシャフトと同様のバランサーが付いている時代ではありませんでしたので、他社の4気筒エンジンよりも低振動という面ではアドバンテージがあったので、市販化できたのでしょうが、現代の振動レベルでは、多分、受け入れられないでしょうね。
当然、今のマルチポイントインジェクションのように気筒ごとの燃料噴射休止は出来ませんでしたので、バルブの作動そのものを休止させていたのでした。
これは、注射器の先を閉じた状態でのピストン運動と同じことをすることになり、意外と振動なんかが少なかったんですよ。その作動を油圧でコントロールしていたのですが、当然エンジンオイルです。当時は最高級グレードがAPI-SFの時代(オイルの性能は、はっきりいってよくなかった)です。劣化したオイルはスラッジがたまってしまい、きちんと動作しなくなるケースもあったようです。
ただ、市場の評価としては、
・郊外での低負荷状態の定速走行では、20km/リッターを超える低燃費
・発進、加減速の繰り返しが多い走行だと、フツーの燃費
・よって、燃料補給の判断が距離では判断出来ない
・意外と4気筒運転と2気筒運転の切り替えポイントがわかりづらい
といったものでした。
しかし、なんといっても、高コストでしたので、新車価格にかなり上乗せされていた(10万円くらい)ため、あまり売れなかったんですよね。ミラージュクラスで、10万円はデカい・・・。
その後、商品としては一旦廃止されはしましたが、時代が変わり、性能と排ガス低減の目的で、緻密な制御が可能なり、MIVEC-MDとしてよみがえったわけです。
まぁ、結局はどんな技術も、「売れてナンボ」 なわけですから、いくら技術が優れていても、売れなければ話にならないわけで、三菱の商売下手な部分が出ていましたね。
ホンダは、二輪車で4バルブのうち2バルブを低回転時に休止させるREVから始まり、四輪者のV-TECへと進化していったのですが、一部のモデルだけへの採用だとコスト面で不利なために、数を出すために当初の目的とは全く異なる低燃費仕様V-TEC(E V-TEC?) なんかへも展開していますよね。
V6の片バンク休止は、大排気量車の排ガス低減目的が一番でしょう。だって、高負荷時には排ガスタレ流しですが、アイドリング時は半減するんですからね。
今後、片バンクを運転させたままだと低排出ガスにならないために、方バンク休止は、大排気量のV型エンジンに多用されることになるでしょうね。
GMは、排ガスと燃料消費の低減が目的で、V8エンジンの片バンク休止を燃料噴射そのものを休止させていますが、V8だとインジェクタのみを止めた際、バルブを作動させても燃料混入がしにくいんですよね。(L4だとこうは簡単にいかない、インジェクタ休止気筒へ燃料が浸入する。)
これは確か、ノーススター・システムといっていたと思いますが、副産物として、冷却水が抜けた場合でも、強制的に片バンク運転とすることによって新気で片バンクを冷やしながら走行が出来る、という緊急モードまで付いてきました。
まぁ、余裕がありすぎるエンジンの場合、その余裕分を削って燃料消費を抑えようという考え方なんで、小排気量エンジンには実用上向いてないし、コストもかかる、ということでしょうか。V8エンジン車を購入する人が10万円程度車両価格が上がったところで、気にはならないでしょうから・・・。
お礼
ご回答ありがとうございます。専門的なお話も聞かせて頂きとても参考になりました。アイデアとしてはかなり昔からあったけど実用性とコストに問題があったとのこと。今後は高級車にしか搭載されないだろうとの見解。 ほんとに参考になりました。友達にウンチク自慢させていただきます。ありがとうございました。