生物学的モニタリングは、自然環境の監視を行うことが多いのです。
例えば、朝顔による空気中のSO2、羊による放射線漏れ、などです。
自然環境については、その場所の濃度を測定すれば分かります。しかし、この場合は、特定の物質に限られます。
生物を使えば、全体的な汚染が把握できます。例えば、鮎が住んでいない、蛍がいなくなった、などは、どの化合物が原因であるかは特定できませんが、環境が悪くなったと判断できます。逆に、鮭が戻ってくれば、環境が良くなったと判断するのは、妥当でしょう。
このとき、特定の化合物について知りたい場合は、継続的にその場所の生物を採取して、濃度を測ります。体内濃度が増加しておれば、汚染が進んでいることは明白です。鯨の体内からPCBが検出され、環境汚染が南極の方まで達していることは、かなり昔にニュースになりました。
どの生物を用いるかは、研究者の自由で、確定されていません。水中であれば、『魚』と思ってしまいますが、水草を調べた話を聞いて感心したことがあります。その場所から、動けないからです。
カドミウムによる汚染の場合、杉(?)の年輪が調べられたことがあります。汚染のひどい時代は、年輪の幅が狭かったとか。
環境ホルモンについては、メダカなどの行類を使いますが、これは環境ホルモンによって、魚類が性転換起こしやすいからです。
お礼
ご丁寧な説明ありがとうございました。
補足
丁寧な回答、ありがとございました。あれから調べてみた所、例としてベンゼン曝露による尿中フェノールなどの測定などがあるようですが、その他に化学物質曝露による例が2・3ありましたら教えて頂けませんでしょうか?