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マンションの「構造的なバランスの良さ」とは?
現在マンションの購入を検討中です。 が、気になるのはそのマンションの地震に対する安全性です。先の阪神大震災では、住んでいるマンションが大破してしまい、ローンだけが残ったなどという話を良く聞きます。それだけはなんとしても避けたいと考えています。(東海大地震もいつ来てもおかしくないとわれてますし..) 自分なりに地震に対する安全性について調べました。阪神大震災では新築で大手ゼネコン施工の物件も何棟か大破しているそうです。新しいからとか大手の施工だから安全とはいえないようです。大事なのは構造的なバランスの良さらしいのですが.... そこで質問です。 この構造的なバランスのよさとは何ですか? またそれは図面をみて分かることなのでしょうか? 素人なので分かりやすくお願いいたします。
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構造設計をしている者です。 「構造的なバランスの良さ」とは、 1.地震時の水平力が加わったときに建物がねじれない。 2.上下の階で硬さが急激に変わらない。 の2点です。 1.は、建物の平面形状や立面形状(横から見た形:片方が高くて片方が低い形はねじれやすい)に影響を受けますが、構造設計者は、エキスパンションジョイントや壁厚を場所によって変えるなどの工夫をして、ねじれないような設計をするものです。 2.は、ピロティなど2階以上が壁で1階が壁が無い場合などで、この場合も設計者は上階の壁が余計な力を負担しないように壁の周りにスリットを切るなどの工夫をしているものです。 この「構造的なバランスの良さ」を図面から判断するとするなら、下の方の回答のように平面形状四角いかとか、壁が下の階で無くなってないか、また、立面形状が四角いか、などしか有りませんが、そのように選んでいると選ばれるマンションが極端に少なくなってしまいます。前述のように、構造設計者は図面に現れにくい工夫をしているものです。 と言う理由で私は図面から耐震性能の良し悪しを判断するのはお薦めできません。 (プロの私でも図面からではたいした判断は出来ません) そこで、こんな方法はどうでしょう。気に入ったマンションが見つかったら販売会社を通じて構造設計者に以下の点を問い合わせてみてください。 1.「偏心率」(へんしんりつ)が各階で0.15以下になっているか 2.「剛性率」(ごうせいりつ)が各階で0.6以上になっているか 3.「壁の剛性低下率」は1.0としているか 1.の偏心率はねじれやすさを示す数字です。2.の剛性率は上下の硬さのバランスの良さを示す数字です。3.は、(あまり言いたくありませんが)稀に設計者が計算上のインチキをする場合1.0以下にすることがあります。 私ならば、この3項目を満足しない建物は、耐震性能に問題があるかもしれない(購入は避けたほうが良い)と判断します。 また、最近、法律に基づく性能表示をしている物件があります。この性能表示の中には耐震性能に関する表示(この建物はどのくらいの地震でどの程度の被害がでるのか等)がありますので非常に参考になると思います。 ただ基本は、下の方も回答されているように、56年改正の建築基準法で設計されている建物は、すべて同じ耐震性能であり、不具合がある建物は極々一部であることは念頭においといてください。 それでも心配と思われるならば、免震構造のマンションをお薦めします。 免震構造は、私が思うに究極の耐震性能をもっています。(参考URLを見てください) 免震構造は、(設計者にも拠りますが)通常は関東大震災クラスの地震の1.5倍の地震がきても被害は部分的なひび割れ程度になるよう設計されます。 室内で感じる揺れも普通の建物の1/3~1/5程度となり家具などが倒れることもありません。柱、梁の断面も小さくすることができるので、より開放感のある、自由度の高い間取りが可能となります。また建築センターの免震構造評定委員会(大学の権威ある教授達で構成されてます)の厳しい審査を受ける事が義務づけられているため、設計内容にも信頼がおけます。 というわけで免震構造のマンションも探してみてください。 それでは。
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- JIMI
- ベストアンサー率58% (125/215)
お礼見ました。 誤解を与えるようなことを書いてしまいました。すいません。 インチキはしません! ただ、阪神大震災のとき某大手ゼネコンで新築マンションが倒壊した原因は、壁の剛性低下率を間違えて実情とは異なる値(1.0以下)にしていたのが原因だと聞いていたものですから、ついつい勢いあまってこんな表現になってしまいました。 阪神大震災以来、壁の剛性低下率をむやみに下げてはならないという行政指導も厳しくなっておりますので、震災以降の建物であれば、同様の原因で倒壊するということは無いでしょう。
お礼
ありがとうございます。 またいろいろ教えてください。
- kyokosam
- ベストアンサー率36% (56/154)
建築士です。 阪神・淡路大震災での構造物の被害を教訓に、 最近のマンションでは、「スパイラル筋」というものがもてはやされています。 コンクリート柱の鉄筋の周りに、鉄筋をぐるぐる巻きつけたものです。 今までは、「帯筋」といってぐるぐる巻付いているのではなく、 腹巻の様に1本ずつ巻かれていたので、柱が折れてしまいましたが これはつながって巻かれているので、横の力にも強いという事です。 それから、あまり開口部の多いものはよくありません。 ピロティの件と同じことですが、壁が多いほど丈夫です。 耐震壁と呼ばれる分厚い壁の厚さも注意してください。 18センチ以上ありますか? さらに、L型の平面プランについてですが エキスパンションジョイントといって、縁を切ってあれば大丈夫です。 要は、それによって長方形の組み合わせになり 片方が揺れても、もう一方がつられて揺れることがなくなるので L型の折れたところに、力のしわよせがくることはなくなります。 以上のことは、下記URLに簡単ですが書かれています。 それから、大手でも評判の悪いゼネコンやデベロッパーは たくさんいます。 それから、管理会社も注意してください。 入居後のクレームをゼネコンに伝えるのが彼らの仕事のひとつですが 対応の悪いところは、本当にひどいです。 それぞれ他の物件の評判も調べてみた方が、良いですよ。
お礼
ありがとうございます。 まだ候補の物件は絞り込んでいないのですが、パンフレット集めの段階です。その中にスパイラル筋というのがあります。大手ディベロッパーの物件はそういうのが多いみたいですね。 開口部が多いのはだめですか?南側は大きな開口で開放感があった方が良いと考えていたのですが.... L字型でも縁がきってあれば良い、というのは安心しました。(四角い形のものが意外と少ないものですから) PS:関連する質問をhttp://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=11923 にしています。既に回答が来ておりますが、補足事項などございましたら、そちらもご回答ください。
- yamano
- ベストアンサー率20% (2/10)
阪神大震災で倒壊したマンションの多くは、 昭和56年に改正された建築基準法以前のものでした。 宮城県沖地震の被害を見て、耐震性能が強化されたのが 昭和56年の改正でした。 ですから、それ以降のマンションはまず安心していいと 思います。 質問の構造的なバランスの良さとは、 1階部分がピロティになっていないこと (建物を支える部分ですので1階部分が、 柱だけのピロティより、壁の多い構造の方がいいと いわれています。)や、 L字型などの配棟になっていない (揺れの際に生じるねじれで接合部分が 壊れるといわれています。)などです。 その他、マンションの購入については、 yamanoのHPをご覧いただければ幸いです。 「正しいマンションの買い方教本」 ↓
お礼
ありがとうございます。 >それ以降のマンションはまず安心していいと思います。 私もそう思っていたのですが、実際何棟か壊れているというし... 1階ピロティのものや、L字型のものは避けたほうが良いということですね。参考になりました。 PS.HP見ました。参考になりそうです。投票しときました。
補足
関連する質問を http://www.okweb.ne.jp/kotaeru.php3?q=11923 に投稿しましたので、そちらもよろしくお願いします。
お礼
どうもありがとうございます。 免震構造のマンションも探してみようと思います。 ちょっと気になったんですけど、「設計者が計算上のインチキをする場合」というのはよくあることですか?