基本的に株は値上がりを期待して買うものです。値上がりの主な要因は、業績成長であり、業績成長への期待です。
その点、パナソニックの業績は安定してはいるものの、成長性には欠けます。過去5年の平均成長率は、売上高1.2%、営業利益－2.6%となっています。このため、投資家の間であまり人気がなく、いまいち株価が上がらないのです。
また、PBR（株価純資産倍率）が低水準になっているのは、純資産が増大していることも大きな要因です。5年前の2019年6月24日の株価は883円ですがPBRは1.08倍でした。5年前より1.5倍ほど高い1300円前後の株価でPBRが0.67倍なのは、純資産が5年前に比べ2倍以上に増大しているからです。
成長率は低くても安定して利益を出しており、内部留保がどんどん積み上がっていることに加え、海外に保有する資産が、円安進行のため円換算で増大していることが純資産増大の主な要因です。2024年3月期決算短信の連結財政状態計算書によれば、今年3月末時点の純資産は、1年前に比べ約25%増大していますが、その増加分の半分以上が「在外営業活動体の換算差額」によるものです。
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