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肥料の「ようりん」のいい匂いとは?
- 家庭菜園のために購入した肥料「ようりん」から、とてもいい匂いがします。お菓子のような匂いで、クッキーを連想させます。
- 「ようりん いい匂い」というキーワードで検索しても情報は見つけられず、他の人がいい匂いに感じるのは私だけなのか疑問です。
- 「ようりん」のパッケージにはマグネシウム、珪酸、ホウ素、マンガンなどの成分が含まれていますが、これらの成分が匂いに関係しているのかは不明です。
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クッキーの匂いと言うのはバニラ臭の事では。これはラン科の植物の実を熟成させたバニラビーンズの匂いでお菓子の香り付けに使われます。ただ、似ているだけで直接の関係はありません。 誠に言いにくいのですが、おそらくヨウリンの原料であるリン鉱石の元の材料から長年経っても分解されずに僅かに残っていたスカトールと言う成分を良い匂いと感じられたのだと思われます。おそらくリン鉱石のグアノ鉱床由来の匂いではないでしょうか。それに他の材料の何かの匂いが混ざればお菓子の匂いに感じてもおかしくないかも。 リン鉱石の中で比較的良い匂いが有る(元は有機物が原料)と個人的に思う種類は(確実とはいえませんが)大きな洞窟に住む物凄い数のコウモリや、離島などに大群生を成す水鳥のフンが長い間大量に堆積し変化して岩石化したもの・・・。詳しくはウイキペディアの「リン鉱石」の項をお読みください。 つまりスカトールと言うのは簡単に言えば便の臭気・・・。 それが、不思議なことにかなり薄まると何故かとても良い匂いに変るのです。その匂いは誰でも嗅いだことが有りますし、ガーデニング好きの方なら頻繁に、おしゃれな人だとそうとは知らずに毎日の様に成分を多く嗅いでいる事でしょう・・・。 花の良い香りの成分の多くがスカトールが薄まったものなのです。なのでヨウリンの中に混ぜられているリン鉱石の僅かなスカトール臭が質問者様には良い香りだと感じられたのでしょう。 ヨウリンと言っても製品によってはグアノ鉱床で採れたもの以外のリン鉱石を使う会社もあるでしょうから、ヨウリン全てから良い香りがするわけではありません。なのでヨウリンが良い香りという情報が見つかりにくかったのでしょう。また肥料の種類(特に混合の製品)には原料に動物のフン由来の物が多くキツイ臭いのものも多いので、それを知ってる人は肥料をあまり積極的に嗅ごうとはしませんし・・・。 花の香りと動物のフン由来の肥料の匂いが同一の成分で、違いはその濃度の違い(極端に濃い匂いと薄い匂い)だと言う事で、香水の種類でもムスク系はジャコウウシの雄の分泌物という、フンでは無いもののフェロモンの様な働きで、分泌する嚢に溜まって熟成され元々はかなり強烈な匂いの物(匂いが空気に混ざり薄まれば雌にとってはひきつけられる香りとなる)、これもかなり薄めると人によっては好まれる香りになります。ちなみに花に、ムスクを薄めた香りに似た匂いの有る種類もあります。 また、花の天然物から採取した精油の含有率が少ない、人工的に作られた香りの「安物の香水」でも花由来以外のスカトールを薄めて使っています。その材料がいったい何かは想像もしたくありませんが・・・。 なので良い香りのする花でもかなりの数の花が閉鎖的な空間で咲いていると香りが濃縮され、スカトールも当然濃くなって不快な香りに感じる人(かなり匂いに敏感な人なら排せつ物臭いと感じます)も案外多くおられます。 先日居間で鎮静効果のあるラベンダーの精油(市販品の場合「スパイクラベンダー」のキツイ香りのが結構ありますが、高級品は真正ラベンダーと言い、甘く柔らかな花の香り)を扱っていて、家族に「なんか便の様な匂いがするけど?」と言われてしまいました・・・。 バニラに似た香りは他の種類の花から香るものもあります。また、バニラビーンズは匂いが実1本でも結構強く高級品なのでケーキ屋でさえも原料に実の中の微細な種子をほんの少ししか使わず(高級なお菓子やアイスクリームに混ざっている黒い粒)それほど不快に感じないでしょうが、原産国の製造者の所で沢山熟成させれば出来上がった時にはやはり不快な臭いと思います。人工的に作られたバニラエッセンス(安価なお菓子に使われる)も瓶から出し過ぎた量が多ければ甘ったるい香りの他に嫌な匂いも感じます。 数輪だけなら良い香りの花も、香りの強い種類が一斉に大量に咲いて香りが濃くなると不快な臭いに感じる事が。 例えば遠いところにある自生の日本水仙を友人たちと自分の車に乗り見に行って、お土産にと沢山スイセンの花を買ったのが車で帰る途中車内が不快な臭いで充満してしまい気分が悪くなって持ち帰る事が出来ず途中で捨ててしまったり、香りの強いユリ(例えばカサブランカ)が法事の供花に入っていて仏間に置かれていれば、その強い香りの為に気分が悪くなるなど(吐き気を感じる人も・・・)。 実は私もユリの香りに弱く、これは花屋勤務時代に一度に100本以上のユリの雄蕊取りをしていた事から来ているのだと思われますが(アレルギーを疑っています)、カサブランカの花の匂いは濃密で重くて臭いとしか感じられません。また、多くの花を扱ってきたからか通気性の悪い環境で花の強い匂いを嗅げば体調を崩し易く、香水をプンプンさせてバスや病院の待合室など閉鎖空間に居る人(つけ過ぎて鼻の感覚器が麻痺し量を多く付けてしまう人)と遭遇すれば吐き気と喘息の発作が一気に出てしまい、窒息しかけるという酷い目に何回か遇っています。匂いを感じた途端瞬時に症状が出るのでこれらはおそらく濃すぎるスカトール(成分量としてはおそらく排せつ物よりも濃度が濃くなっている)による鼻や喉への刺激からなのでしょう。 そういう由来の物ですから今後は積極的には臭いは嗅がない方がよろしいかと・・・。袋を開け別の容器への移し替えたりは納屋ではなく風通しの良い屋外で)、普通のマスクではなく防塵マスクなどで鼻や口から飛散している粉(目に見えない粒子も)を吸い込まない様に予防してお使いください。 岩石化するほど年月が経ってるので病原菌などの微生物が残っていたりという事は無く、別段毒性があるものでも無いのですが、肥料と言う物自体が清潔と言えるほどのものでは無く基本的に汚い物。 それに匂いに慣れてしまっては鼻の中の感覚器には良くない事は確実で、あまり本来は嗅ぐ目的で無い匂いを頻繁に嗅ぎ個人的に慣れてしまえば、鼻の中の匂いを嗅ぎ分ける感覚器が麻痺してしまい元に戻りにくくなって、人にとっては他の有害である物の匂い(刺激臭や腐った物の匂いなど)が感じにくくなってしまい有害なガスを吸ってしまったり酷くお腹を壊すなどの体調を崩したり、他の人には結構な不快な濃さの匂いがご自分だけにはあまり感じられず周りの人へご迷惑をおかけしてしまう事にもなりかねません・・・。 この投稿をお読みになられていらっしゃる女性の方で、日ごろから香水や香りの強い化粧品や、花の香りが強い洗濯洗剤や柔軟剤をお使いでもし最近何時もの量なのに香りが弱く感じられてきた方がいらっしゃれば、その対処としてやりがちな感じたい(嗅ぎたい)香りの強さまで使う量を増やすのではなく、まずは耳鼻科に行って香りの感じ方が以前より変わってしまってないか診てもらって下さい。本人には薄くなっていると感じても、本当はつけ過ぎて物凄く匂いが強くなっている「香害」の発生源に。 もしなってしまっては周りの人を不快にし周りの人は強い香りを避けるので人間関係も悪くなりがちですし、なによりも喘息患者にはその香りはスカトールの刺激臭でしかなく、強い咳が止まらなくなって吐き気も催し、合わされば窒息しそうになるので花の強い香りは凶器でしかありません・・・ 。
お礼
とても、とても興味深いご回答、誠にありがとうございました。専門書を一章読んだくらい、とてもとても面白かったです。お詳しくて凄いです。匂いというのは、とても不思議なものなんですね。もっと知りたくなりました。 そして、匂いというのは、刺激なのですね。過剰に触れてしまうと、問題が起きてしまうのですね。気になったからとか、いい匂いだと思ったからとかで、たくさん嗅いだり、たくさん付けたり使ったりすることは、避けるようにいたします。ありがとうございます。 お花をたくさん扱われおられたこと、尊敬いたします。匂いのアレルギーをお持ちの方がいらっしゃること、しっかりと意識して、これからは生きて参ります。 教えてくださって、ありがとうございました…!!!