師と仰ぐ元総理の田中角栄の派閥で二階俊博が所属した木曜クラブには親中派議員が多かったのだから別に不思議じゃ無いです。田中角栄が日中国交正常化を成し遂げた時に外務大臣だった大平芳正元総理も親中派で、二階が政治家として実力を培った頃は政治だけじゃ無くて日本全体が日中友好ムードが漂っていました。また、当時の政治家や経済界の重鎮の中には、日中戦争での日本軍の中国での行為を反省し、にもかかわらず日本軍や日本人の中国からの引き揚げを助け、日本人残留孤児を育ててくれた中国人にお詫びと感謝を示したいと思う人たちが少なく無く、中国へのODA援助や国営工場の立ち上げ、品質改善に無償で協力することもありました。
日本人全体の中国への見方が変わったのは、天安門事件だと思うのですが、それまでは改革開放を進める鄧小平の元、経済が豊かになり教育が行き届き、市場が自由化すれば自然に民主的な国になるだろうと信じられていたものが裏切られた感はあったと思います。ただ、その後はむしろ経済交流が進んで、行き来する人の数も投資や協力も増えたと思います。日本で現在の様な反中国や中国脅威論が盛んになったのはむしろ最近で、特に習近平体制になって「中華民族の偉大なる復興」をビジョンとして掲げ、覇権を目指す動きが目立つ様になってからで、またアメリカの中国叩きに同調する人が増えてきたこともあると思います。
だから、二階はアメリカの国政戦略研究所から媚中派の政治家と名指しされていますが、変わったのはむしろアメリカの方で、2000年代に入るまでは中国とともに成長しようと言うムードが強く親中派の政治家も多かったものが、オバマ政権の頃から共和党強硬派を中心に親中派をパンダ・ハガーと呼び攻撃し中国に対して強硬な態度をとる様になっています。
なので、二階さん自身が変わったと言うよりは世の中のムードが変わった。中国も経済力、科学技術力、軍事力を高めて現実の驚異になってきていて、付き合い方は考え無いといけません。でも、世界は今アメリカと中国と言う2大パワーで動いていて、日本は米国べったりでは無くうまく立ち回る必要があります。その中で、総理大臣や閣僚がべったり親中じゃ困るけれど、与党の権力者に中国の懐に飛び込める親中派がいることはバランスの上で悪いことだとは思いません。新型コロナがなければ今頃は日中、日米、米中と言う三角関係の中で日本と中国で安定した関係づくりをしているタイミングでした。そんな時に最初からお互いに反発を感じて信用し無いと言う態度では話しが進みません。
お礼
ご丁寧なご投稿をありがとうございます。アメリカ人も日本人も、中国に関して壮大な勘違いをしていたのは、支那民族には「対等な友好関係」など存在しないことです。彼らには上か下かしかありません。それにもかかわらず、かわいそうなことをしたからと、長年ODAをダダ漏れにして養って、今のような状態にさせてしまった日本人はお人好しだなあと思います。二階を置いていることについては、中国に対するアイコン、メッセージみたいなものでしょうか。