国民一律に特別定額給付金10万円を給付する話と同じで、一見公平に見えるが実は公平ではない部分があることも否めない。
よく言われる減収とは関わりの無い公務員(生活保護や年金生活者は除いて)はどうなのかという議論で、何が問題かといえば、一つには先の通り減収がないことであり、もう一つは格差社会の中で、特に安定した公務員ということもあり既婚率が非常に高い職業であることから、派遣や非正規のような不安定な職業の人たちと比較して、結婚年齢に達した以降には、多くの場合には家族が形成されており、そうなれば当然に子供やご両親を含めると、それだけで人数が膨れ上がり、たとえば5人家族としたならば、単純に給付金が50万ということになる。
つまり、公務員の婚姻率や家族の人数などから、この給付金は、場合によっては第3のボーナスともなり得る性格も孕んでいるし、殆ど生活費に回ることはない。
何も困ってませんからね。
同じような構造が、この大学生一人10万円支給ということにも含まれる。
大学進学率が57%(だったかな)にも上昇する中で、本当に大学に進学する意味があるのかという問いかけの中で、そうした進学についても、先に掲げた格差を原因とする親の資金力が問題になりますが、資金力がない中で子供の希望を叶える親の気持ちとは裏腹に、現実には実家暮らしならば兎も角、地方から都内などへの進学などという場合には国立の文系でさえ、学費や家賃、生活費などを含めたならば、国立で最も安く見積もっても4年間で1,000万近く掛かってしまう。
これが理系になり、私立になり、さらに、私立の医科歯科系にでもなれば、2倍にも3倍にもなりあがってしまう。
自分の夢の実現を目的とすることとは裏腹に、ここにも親の歴然とした資金力の差が、大学選択から希望する学部に至るまで影響を及ぼしてくる。
結果的には、今回ウィルス問題で生活の伝であるアルバイトができない状況に陥り退学も視野に入れなければならないほどにまで追い詰められた学生も多い中、資金力で優位に立ち、毎月親から大枚の小遣いを貰いながら学生生活を送るボンボンやお嬢様も多い。
そんな風に考えるとき、どうしても10万円の特別定額給付金同様に、本当に困って明日の食事さえ覚束ない学生と、何一つ困らないどころか、やっぱり「小遣いが増えた」程度の感覚の学生も多いことを思うとき、どうしても、ある程度の線引きの必要性を感じてしまう。
あくまでも、本当に困っている学生を支援するということに意味があるのであって、それ以外の余裕のある学生たちを救う必要はないと思いますよ。
極端な格差社会という現実がなかったならば、多くの家庭がこうした極限状態にも耐えられていた筈であり、格差という社会の在り方にこそ問題があるように思います。
特別定額給付にしても、今回の学生への支援金にしても、本当にありがたいと思う人間と、まったく意に介さず、ただ、にんまりとほくそ笑む人間が、ハッキリ分かれてしまう現実をどう考えるのかということだと思いますよ。
ある種の社会の闇の一端だと思いますがね。