電源車は空輸できませんでした。CH-47という大型輸送ヘリコプターがあるのですが、頭が引っかかって中には載せられず、あとは吊るす方法があるのですが、確か重すぎて安全に長距離を運べなかったんじゃないかな。途中で落っことすわけにいかないですからね。
ただ、後になって色々検証して分かったことですが、実は電源車が到着してもしばらく使えませんでした。
その理由が「ケーブルが足りない」だったそうです。みんな「電源喪失」と聞いて「電源車を用意しろ!」とは気づいたのですが「電気を供給するにはケーブルが必要。しかもすごく長い距離分」というのに誰も気づかなかったのです。パニックあるあるですね。
似たような事例として、昔雪山で遭難者が出たときにもし遭難者が生きてたどり着いたらということを想定して、テントと缶詰をわざと残して救助隊が引き上げたことがありまして、そこに奇蹟的に遭難者がたどり着いたのですが、缶詰を置いたのに缶切りが置いてなかったというのがありました。遭難者は目の前に食料があるのに食べられないので、腹が立って缶をぶん投げたそうです。そりゃそうだ。
結局のところそんな間抜けなことをしてしまったのも「訓練をしていなかった」に尽きるのですよ。訓練をしていれば、何が必要になるかどういう問題が発生がするのかある程度予測することができ、それに対しての備えができます。
ところが「原発は絶対に安全でなければならない」というのがあったので「訓練をすることは事故が起きることを想定している。だからやるのはおかしい」となってしまったのです。
お亡くなりになられた吉田所長の判断を後知恵でなんとでもいうことはできると思いますが、彼を責めることは難しかったのではないかなと思います。あんなに早く亡くなってしまったので、並々ならぬ心労だったと思います。最悪の状態のとき「東日本に人が住めなくなる」と絶望的な気分になったということですからね。
お礼
.ご回答あありがとうございます。 長年思っていたことが解決しました。