造船作業に関わったことはありませんが、製造ラインや工場設備の設計にかかわる者です。造船作業につては門外漢ですが、作業内容を考えたうえで、同種の作業をする一般的な工場でどうなのかと言う事を基本にお答えします。
船と言ってもいわゆるプレジャーボートから、超大型のタンカーまでいろいろありますよね。そして構造も作り方も全く異なります。船の底と言う事ですが船底部だけを別に作るという工法は聞いたことがありませんので、底と言うのは多分ハル(船体)の事なのであると思いますが、数十トン程度までの船であれ雌型の内側にガラス繊維と樹脂を使って、いわゆるFRPで竜骨なども含めて一体成型してしまいます。それよりも大きな数百トン程度までの船では船体の骨組みとなる部分をまず作って、そこに鉄板やアルミなどを溶接などの方法で張り付けていくというやり方になるでしょう。それよりもさらに大きな船では水線方向(船首と船尾を結ぶ方向)にいくつかのブロックに分けて作り、ドック内でそれらをつなぎ合わせて一つのハルにします。どのような船を作るかによって屋外作業になる場合か屋内作業になるかも異なりますし、溶接や絞り(金属板を熱した後で部分的に水で急冷して分厚い鉄板などをまげる工程)などを伴う場合は溶接に伴うガスの発生や強力なバーナーを使うので寒気が重要なので、空調完備の場所でと言うのは難しいでしょうし、小型船のFRPの場合でも有機溶剤などを使用するため空調完備の場内でと言うのは少ないでしょうねぇ。小型のFRP船舶の場合は雌型に最初にゲルコートと言う方から外した際に一番外側になる下塗りの部分を吹き付けてから、FRPを積層していくので下塗りまでは一気に仕上げてしまいますが、それより大きな船では塗装と組み立ては別の工程で扱われるでしょうから、別の人間が担当することになるでしょう。
現場の作業員に女性が多いかどうかわかりませんが、一般的な工場と同じでしょうからほとんどは男性でしょうね。
作業の安全を確保するために造船に限らず基本的に真夏でも長袖・長ズボンの着用や工程によっては防塵マスクや有毒ガスに対応するマスク、保護メガネやフェイスシールドや作業手袋や安全靴などの装着が義務付けられている場合が多いでしょう暑いから半そで短パンでとかはできませんからねぇ。冬はともかく夏場は暑い場合が多いでしょうね。これも、造船に限った話ではありませんけどね。今ではISO(国際標準化機構)という物の基準に準拠した工場が殆どですから、その基準に適応する服装や有毒物などに対する対策をしないという所はまれでしょうねぇ。まぁ、もちろん労働環境もISOに定められていますので、スポットクーラーやその他の装置を使って出来るだけ快適な環境にするよう指導はされていますが、オフィスワークのような環境での仕事は実際問題として無理です。
力仕事かどうかについては10Kgや20Kg程度の物なら持ち運ぶなどの作業があるかもしれませんが、基本的に重量物を一人で扱う事は多くの工場で禁止されているでしょうし、実際には人力では無くクレーンやホイストや運搬装置などの機械を使って運ぶ場合が多いでしょうから、これはあまり気にする必要はないでしょう。