BUNは、Cre(血清クレアチニン)とともに検診で、腎機能検査としてしばしば実施されていますが、実は腎機能の評価としてあまり鋭敏な指標ではなく、腎機能が50%以下程度にまで低下しなければ、これらの値は上昇しません。
BUN単独の値で27という値は、確かに正常域を逸脱しているのは確かですが、腎機能以外に上昇する要因があるので、これで直ちに腎機能が低下しているということはいえません。
本来、これらの値は、両者同時に評価することにより、慢性腎不全の患者さんが、腎機能の経過のほかに、蛋白制限などの食事療法がうまくいっているかどうか、水分の貯留傾向や脱水がないかなどの経過を見るために有用な指標ですが、腎機能低下の早期発見には全く役に立たないのです。
尿検査単独で腎疾患のスクリーニングをおこなっても、それにBUN、Creを加えても、発見できる腎疾患はほとんど変わらないでしょう。なぜ、これらの指標が検診で使われるのか、私には理解できません。BUNには偽陽性が多いので、結果として検診を受診した人や精検機関に負担がかかるだけのように思います。
さて、現在の検診のあり方を批判しても回答にはならないので本題にうつります。
BUNの値しか記載がありませんが、検診であればCreや尿検査も当然お受けになっていることと思います。
考え方として、いままで腎疾患の既往がなく、糖尿病、膠原病などの腎障害をきたす可能性のある基礎疾患がなく、Creが正常で尿検査に異常がなければ、今回の結果で腎臓の機能に異常をきたしている可能性はほとんどないと思います。
もちろん、異常値であることは間違いありませんし、一過性の上昇である可能性が高いとしても、安心のためにも再検査を受けられるのが望ましいことはいうまでもありません。
お礼
ありがとうございます。他の値は正常だったそうなので、とりあえず食を調整してみて、しばらくしてから再検査するようにしてみます。感謝です。