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ボールネジの力学
- ボールネジを使用して重さ100Kgのスライダーを支えるためには?
- モータを使用せずにタイミングプーリで連結する方法
- ボールネジ1本当たりの荷重は50kgで計算して問題ありませんか?
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1本使用であれ、2本使用であれ、ねじ式ジャッキは、 T(kg・mm)= W(kg)×d2(mm)÷ 2 × tan(φ+θ)で、 入力のT(kg・mm)トルクと、出力のW(kg)の推力が表されます。 * d2(mm);ねじの有効径 * θ;ねじのリード角、atan L(mm)÷{π×d2(mm)}で求め、 L(mm)は、ねじのリード叉はピッチです。 例えば、外径20mmでリード10mmのボールねじは、 atan 10mm÷(π×21.25mm)≒ 8.52°となり、 外径20mmでリード40mmのボールねじは、 atan 40mm÷(π×20.75mm)≒ 31.53°となります。 これは、坂道の角度とおなじです。以下資料を参照下さい。 http://www.urk.co.jp/neji_sp_neji.html * φ;摩擦角、ボールねじの様に摩擦係数が0.05程度なら、 atan 0.05 ≒ 2.86°となり、 Mねじの様に摩擦係数が0.2程度なら、 atan 0.2 ≒ 11.31°となります。以下資料を参照下さい。 http://www.coguchi.com/yougo_s/plastic_yougo/ta-re.html#ho そして、摩擦角φ > リード角θなら、ねじは自然に緩まず、 摩擦角φ < リード角θなら自然に緩みます。 ですから、ねじが自然に緩まない締結用のMねじは摩擦角φ > リード角θ であり、手廻しのねじジャッキでセーフティーロックが必要な場合は、 摩擦係数が高い角ねじか台形ねじを使用して、ボールねじは使用しません。 そして、沢山廻すデメリットがありますが、ピッチ(リード)の短い物を 選びます。 その反対に、モータで駆動する場合は、高速回転であり、摩擦係数が大きい と発熱等の機械ロスが高くなり、ボールねじをブレーキと併用で選択します。 さて、T(kg・mm)= W(kg)×d2(mm)÷ 2 × tan(φ+θ)が、 ジャッキ上昇時の計算で、ジャッキ下降時は、 T(kg・mm)= W(kg)×d2(mm)÷ 2 × tan(φ-θ)が正確ですが、 ボールねじの場合、θの値が小さく、T(kg・mm)の値が大きくなる <ボールねじ摩擦係数は、グリース等の状態では0.02以下にもなる等々でも> T(kg・mm)= W(kg)×d2(mm)÷ 2 × tan φで計算して、 W(kg)が100kgと貴殿の選択したボールねじで、T(kg・mm)を算出。 ねじ外径が20mmなら、T(kg・mm)÷{20mm÷2}の力以上(できれば、 その1.5倍から2倍の力)で押し付けるか、その半分の力で2本を同時に 押し付けるかすれば、下降はしません。 正確には、押し付けの力は、ここも摩擦が絡むので、(力÷摩擦係数) で、摩擦係数が0.2なら、更に5倍の力で押し付けないと、T(kg・mm) になりません。 長くなりましたが、以上により、モーターを使用しないなら、 ハンドルは数多く廻しますが、角ねじか台形ねじで、ピッチの小さい ねじを選択しますと、自然落下しない仕様の物が構築できます。
参考URLはTHKの技術資料ですが、「推力を与えたときの発生トルク」の頁を 参考にされると良いと思います。また>1本当たりの荷重を50kg・・・以下は スライダー重量が均等に掛かるとは限らないから余裕のある設計をしましょう