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鋼の歪みについて知りたい
- FEM解析を始めたばかりの初心者です。FEM解析する際に材料特性なるものを入力しないといけないのですが、その中には「公称ひずみ」「真ひずみ」「対数ひずみ」「相当ひずみ」という4種類の歪みが存在します。しかし、これらの歪みの違いが分かりません。どのような違いがあるのか教えてください。
- 鋼の歪みについて、初心者ですが教えてください。FEM解析を始めるにあたり、材料特性として歪みを入力しなければなりません。公称ひずみ、真ひずみ、対数ひずみ、相当ひずみなど、いくつかの歪みの種類がありますが、それぞれの違いがよくわかりません。お知恵をお貸しください。
- 初心者のため、ご教授願います。FEM解析を始めたばかりで、材料特性の中には「公称ひずみ」「真ひずみ」「対数ひずみ」「相当ひずみ」といくつかの歪みが存在します。しかし、これらの歪みについての違いがよくわかりません。ご存知の方、教えていただけませんか?
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まず、基本の質問に対する回答です。 現代では、ひずみ-応力といえば、すべて、真ひずみ-真応力です。対数ひずみは、垂直ひずみにおいては、真ひずみと同じものです。 構造系のCAE解析の主流は、FEM(有限要素法)ですが、FEMが誕生して50年ほどになります。FEMを使えば、今では大変形や材料非線形であれば、どんな境界条件を与えても、解けるようになりました。 それ以前は、ごく限られて条件でしか解くことができませんでした。それでも、解析解を求める涙ぐましい努力がなされ、いろいろなひずみと応力の組合せが提案されて用いられてきました。 しかし、それももう昔話。今では、すべての解析は、真ひずみ-真応力を用いており、市販の解析プログラムもこの組合せを基本としています。 アルマンジ歪やグリーン歪なども、公称ひずみや真ひずみの拡張版ですが、現代の解析においては、あえてこれらを使用する必要はありません。(ただし、マニュアルなどに記載されていることもあるので、知らないと、「何のことやら?」ということになって、混乱するかも知れません。) 公称ひずみは、ひずみの値が10^-3以下の小さい場合には、真ひずみとほとんど違わず、計算も簡単なので、3番目の方の回答にもあるとおり、実用的な設計計算で適用される線形解析においては、公称ひずみ、公称応力で表示されます。 以下、他の回答者さんへの質問に対する私なりの回答です。 (1)相当応力-相当ひずみは、どのようにして測定するか? 答えを先に言えば、相当ひずみ、相当応力は、測定するものでなく、計算して出すものです。 強いて言えば、棒を引張ったり圧縮したりすると、一軸状態になりますが、この時の軸方向応力と軸方向ひずみが、相当応力と相当ひずみになります。 他軸応力状態の場合には、等方性であれば、フォンミーゼスの相当応力で一軸の引張圧縮状態に置き換えることによって、理論を組み立てています。 (2)加算性の意味が理解できない。 長さ1000mmの棒を引張って塑性変形させ、1200mmにしました。 次にそのことを知らない2番目の人が、さらに引張って、1500mmにしました。 さらに、前2件を知らない3番目の人が引張って、1800mmにしました。 この棒の2件目と3件目だけの報告を聞いた人は、この棒のひずみをいくらとみなせば良いのでしょうか? まず、公称ひずみで考えてみましょう。 2件目の引張りで、 (1500-1200)/1200=0.25 3件目の引張りで、 (1800-1500)/1500=0.2 だから、足して、0.45? それとも、2件目の最初の長さの1200mmから最終的に1800mmになったのだから、 (1800-1200)/1200=0.5? 両方が食い違ってしまいますね? 次は、真ひずみで考えてみましょう。 2件目の引張りで、 ln{1+(1500-1200)/1200}=0.223 3件目の引張りで、 ln{1+(1800-1500)/1500}=0.182 だから、足すと、0.405。 2件目の最初の長さの1200mmから最終的に1800mmになったことから計算すると、 ln{1+(1800-1200)/1200}=0.405 両方が一致しますね? これが真ひずみの加算性です。 以上のことを、1件目の引張から考えると、公称ひずみの方は、最初の長さの1000mmで計算しなおさなければなりませんが、真ひずみだと、1件目の分 (ln{1+(1200-1000)/10000}=0.223)をさらに加算するだけでOKです。
その他の回答 (3)
まず線形構造解析に使われる歪は公称ひずみです。既に回答がある様に、変形前の形状を基準にした歪です。線形解析をするだけであればそれだけで充分です。相当ひずみも既に回答がありますが、ひずみも定義ではなく多軸荷重下での応力を、一軸応力の降伏値に換算する為のひずみと思います(V-M応力)。 対数ひずみは真ひずみの事でしょう。これは既に回答されている通りです。 それ以外のひずみは塑性変形を含む非線形解析の理解が必要になります。そこまで踏み込むのであれば、まず弾性力学を勉強して下さい。混乱させたくはありませんが、テンソルひずみが使われ、基準座標系によりさらにアルマンジ歪やグリーン歪というのが存在します。これを理解するにはまず弾性力学を理解されてから、非線形弾性力学というステップをお勧めします。その基準座標系の議論の中で、変形前と変形後のどちらを基準座標系に取るかで公称ひずみになったり真ひずみになったりします。
お礼
ご回答ありがとうございます。 難しい内容の話になってくるのですね。
測定方法ですが応力の方向に応じてひずみゲージを貼り付けて,測定ひずみ から応力を求めるのが一般的だと思います。 実際には(相当)応力の応力方向を特定するのは難しいので,X-Y-Zの各方向に 複数のゲージを貼り付けて,主応力方向の応力成分から計算で求めます。
お礼
要素奇知さん ご回答ありがとう御座います。ようやくイメージがつきました。 相当応力の実測定はかなり難しそうですね。(かなりの金額もかかりそうです。) 御礼次いでで申し訳ありませんが、小生なりに調べていくなかで、公称ひずみも 大変形では、「加算性がない」為、対数ひずみに変換しなければならないとの 記述がありました。加算性の意味が理解できないのですが、もしご存知なら ご教授願います。 公称ひずみを常用対数に変換すればいいんだ程度の理解で、なぜその変換 が必要なのかがいまいちよく分かりません。
材料が引張りなどの一軸応力を受ける場合,一般的には公称ひずみを用い ます。公称ひずみを式で表すとε0=ΔL/L ΔL:のび,L:初期長さです。 引張曲線としては公称応力-公称ひずみ図が一般的ですが,伸びが大きい 塑性域になると実際の応力をうまく表現できないため,真応力-真ひずみ図 を用います。すなわち,応力=荷重/断面積 ですが塑性変形するとくびれて 実際の断面(応力式の分母)は減少しますが,これを補正したのが真応力- 真ひずみ図である。真ひずみには対数ひずみε=Ln(ΔL/L)=Ln(1+ε0)を用い ます。真ひずみ=対数ひずみと考えても良いと思います。 弾性域を考える場合はひずみは小さいので,公称ひずみと対数ひずみの差は 小さく,とくに区分する必要は無いと思います。 また相当ひずみは3軸応力を合成して1軸に換算するとき,相当応力-相当 ひずみ図を考慮します。
お礼
早速のご回答 ありがとう御座います。 分かりやすい説明で、理解しやすいです。 再度、1点だけ教えてください。 相当応力-相当ひずみ はどのようにして測定するのでしょうか? 「3軸応力の合成」はイメージできるのですが、実際にどのように測定して 値を出すのか、イメージがつきません。 ご存知でしたら、ご教授願います。
お礼
ご回答有難うございます。 加算性について、すっきりしました。なるぼど上記の理由であれば真歪み を断然使いたくなりますね。