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スペインのカタルーニャ自治州分離独立とスペイン内戦の再来の可能性について
- カタルーニャ自治州は独自の言語を持ち、スペインのGDPの約2割を生み出す裕福な地域であるが、近年は「貧しい地域に富が奪われている」という不満が強い背景にある。
- もしスペインの中央政府がカタルーニャ自治州の分離独立を容認しない場合、軍隊を投入する可能性もある。
- スペイン中央政府によるカタルーニャ自治州の分離独立の阻止が紛争を引き起こした場合、ロシアとEU、米国も介入する可能性がある。
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1 現実的には相当厳しいでしょう。まず、その新独立国カタルーニャはEU外となります。人とモノは自由に行き来ができません。カタルーニャ人がフランスなどの外国に行くときはパスポートが必要ですし、相手国がビザの緩和をしてくれないといちいちビザを取得しないと入国もできないとなります。 またそれ以上に重要なことは「通貨ユーロが使えなくなること」です。カタルーニャはスペインではなくなるので、ユーロの参加基準(これを収斂基準と呼びます)を満たしていないのでユーロは流通できません。自国用の新通貨を作らないといけません。 当然のことながらユーロ圏に行くときは両替をしないといけなくなります。またユーロ圏から来た人もカタルーニャ通貨に両替をしないといけなくなります。 またこれはちょっときちんとウラがとれていない話なのですが、カタルーニャ州の電力はカタルーニャ州内だけでは賄えないという話をどこかでチラッと聞きました。これはものすごい大問題で、もし電力を外国から輸入しないといけないとなると、スペインから輸入しようとすればそりゃ断られるかもしくは嫌がらせで法外な値段を吹っ掛けられるかのどちらかで、もしフランスから輸入しようとなると送電線の建設などインフラの充実が必要でしょう。シムシティではないですから、発電所を急に建設できないし財源の問題もあります。 そうなると電気代金がものすごく上昇することになり、これは経済に致命的な大ダメージを与える可能性があります。特に工場などの生産施設では、電気料金の上昇は生産コストに大きな影響を与えます。 2 一般的に考えて、まずは警察部隊が投入されることになると思います。軍隊が動くと国際的にも大きなニュースになるので、スペイン政府としてもなるべくそれは避けたいだろうと思います。ただヨーロッパでは駅や空港などの重要施設に兵士が立つという風景そのものは珍しくもなんともないので、治安維持のためにそういうところに立っている兵士の数が多いし目立つということはあるかもしれません。 3 カタルーニャ州そのものが、軍隊を持っていません。戦争になるためにはカタルーニャ州に駐留するスペイン軍が独立派に合流するか、独立派が軍の施設を襲って武器を手に入れるか、外国から武器を密輸するかになります。 ちなみに昔のスペイン内戦では、ナチスドイツやフランス、イギリス、ソ連などがそれぞれの支持する勢力に武器を供与したり義勇軍という名目で軍隊を送りました。しかしこのカタルーニャ独立問題で独立派に軍隊や武器を供給する国はないと思うので、カタルーニャ州が独立をしたいと思うなら民主的な手続きに則るしかないと思います。 4 3の状況がまず考えられないので、3の状況にならないとなんともいえないでしょう。ただ既にEU関係者が口先介入などをしていますね。なにをやってるかというと、「もしカタルーニャ州が独立するなら、それはEU外になるってことになりますね」とマスコミに向けてコメントするとかです。 「スペインから独立するということは、EUからも出て行くことだぞ。その覚悟はあるのか?」と独立派に対して牽制球を投げているのです。 カタルーニャ州以上に独立したい人たちが、隣接するバスク地方です。カタルーニャ州が独立すれば、当然バスクも独立だという機運が高まると思います。バスク地方は昔からスペインに対してテロを起こしてまで独立運動をする人たちですから、その危険度はカタルーニャの比ではありません。「カタルーニャは認めるのにバスクは認めないのか」といわれると国際社会も答えに窮するのです。 カタルーニャ、バスクが独立となると、当然スコットランドの分離独立運動の機運も高まることでしょう。またベルギーの南半分にあたるワロン地方も昔からベルギーから分離独立したい人たちが大勢います。そもそもベルギーは北半分のフランデレン地方と南半分のワロン地方はすごく仲が悪いのです。 このように西ヨーロッパで連鎖的に分離独立運動が盛んになってくると、今度は当然ドイツやフランスのような国々でも移民排斥を訴える人たちが「だったら移民を受け入れない自分たちの国を作って独立しよう」と言い出す人たちも出てくると思いますし、そうなるとそれが一定以上に支持されてしまうということも起きるでしょう。元々ヨーロッパは都市国家などが沢山あったのです。 1914年、サラエボでオーストリアの皇太子がテロリストによって暗殺される事件が起き、それがきっかけでオーストリアはセルビアに宣戦布告をしました。当初、この戦争はせいぜい数週間で終わるものだと誰もが思っていましたが、ドミノのように様々な出来事が連鎖反応を起こしてあれよあれよという間に全ヨーロッパが巻き込まれる大戦争となりました。これが後に第一次世界大戦と呼ばれるようになります。 民主的な手続きで平和裏に独立するはずだったカタルーニャ問題が、ドミノ式に西ヨーロッパに影響を及ぼして混乱と内戦を引き起こす、というのは現在ではあまりに荒唐無稽な物語に聞こえますが、可能性はなくはないですよ。私は第三次世界大戦があるとしたら、それは第一次世界大戦や第二次世界大戦のような国と国との大規模な総力戦ではなく、内戦とテロに包まれたどこが戦場で誰が敵なのかが分からない泥沼の戦争になるような気がします。
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- ithi
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sanctilumine さん、こんにちは。 これは政治行政の不効率化のせいだと思いますから、そこを改革すれば、そんなにひどいことにはならないと思います。今時、国内を軍隊が治安維持の名目で動いているのは時代遅れ、内線なんてナンセンスです。この時、州民選挙が起きましたけど、不正も多かったし、なんだか認めない人の方が多かったとか、これはどう解決するのかが問題ですね。独立するよりスペインにとどまっていた方がいいと考える人もいるみたいでしょ。おまけにEUにまた入るため再交渉なんてできる人はいるんですかね?
- human21
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1について、カタルーニャの経済が自活するのは 難しいと思われます。 その理由ですが、EUが独立を認めていないからです。 仮に独立できたとしても、EU域外の国となるので、 貿易で大きな不利益になります。 2について、スペインが軍隊を投入する可能性は まずないと予想しています。 理由は他の先進国が軍事介入を認めないからです。 3と4について、軍事介入の可能性が無いので スペイン内戦も他国の介入もないと思います。