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蜂蜜の殺菌効果について

2017/09/20 17:20

蜂蜜には幼児に与えてはいけないくらい殺菌力があるので、蜂蜜の殺菌力は良い腸内細菌まで死滅してしまうくらいの威力があるのでしょうか？教えて下さい。

cocoa213
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栄養・サプリメント（健康）
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専門家
ココカラファイン薬剤師（@cocokarafine）薬剤師

2017/09/21 15:40 回答No.6

こんにちは。ハチミツの効能については古くから色々なものが言われてきていますね。ご質問の内容からいくつか勘違いをなされている点がありそうですので、整理してご説明します。ハチミツの殺菌力について古来よりハチミツを医療に利用するという行動、記録は多数あります。その中でもハチミツには殺菌力がある、というものは数も多く、実際に使われてきたケースもあります。しかし、これらは現在のところ「経験則」に近いレベルのもので、その効果を科学的に証明したものは(私が調べた範囲では)見つけることができません。糖度が非常に高いことから浸透圧も非常に高く、これによって細菌の細胞を破壊する効果はあるかもしれません。このように様々な研究は行われていますが、まだ分かっていないのです。また、実際にハチミツを創部(傷)に使用してみたが殺菌的な効果は得られなかったどころか感染リスクが増加してしまったという文献もあります。英文の資料ですが、ご興味があればご覧ください。参考文献：antibacterial honey for the prevention of peritoneal-dialysis-related infections (HONEYPOT): a randomised trial 　　　　（The Lancet Infectious Diseases, Volume 14, Issue 1, Pages 23 ? 30, January 2013) 　　　　　http://www.thelancet.com/journals/laninf/article/PIIS1473-3099(13)70258-5/fulltext また、ハチミツに殺菌力を期待して使用した例はほとんどが外用薬として使用しており、食用として摂取した際には殺菌力は発揮しません。ハチミツを幼児に与えてはいけない理由これは殺菌力によるものではなく、ハチミツに混入しているボツリヌス菌によるもので、ボツリヌス菌が芽胞(がほう)という自らを保護する鎧のようなものに包まれた状態で存在しています。ボツリヌス菌は強力な毒素(ボツリヌス毒素)を食品中で作ることで食中毒を起こしますが、芽胞を形成して守りに入っていると増殖せず毒素も産生しません。つまりハチミツにボツリヌス菌が存在しても毒素を作っていないので食べても問題ないのです。ところが腸管の生育が不十分である乳幼児がボツリヌス菌を摂取してしまうと、腸でボツリヌス菌が増殖を始めて毒素産生も開始します。これによってボツリヌス中毒が発生してしまうのです。 (最悪死に至ります) 腸管の環境がしっかりしていると腸内細菌によってボツリヌス菌の増殖は抑え込まれるので問題になりません。厚労省からも1歳未満の乳児にはハチミツを与えないようにと指導が出ていますが、こういう理由であって殺菌力とは一切関係ありません。ハチミツの特徴を整理すると、・外用剤としての殺菌力は古来からの経験によって可能性がある・現代の研究では否定的・咳止めとしての効果が期待されているが粘膜への湿潤効果によるものである可能性が高い・古来より食用として用いられ様々な効果があると言われているが、ハチミツの原料となる植物の蜜によって成分が変わるため一概に言えない・約80%の糖分と薬20%の水分でできており、その他の栄養素はごくわずかである・ハチミツのカロリーは一般的には100gあたり294kcalだが、銘柄によって差がある・経口摂取した場合は消化吸収されるので、殺菌力があると仮定してもその効果が腸内細菌に及ぶことはない・1歳未満の乳児がハチミツを摂取すると腸内でボツリヌス菌が繁殖して乳児ボツリヌス症を発症するので与えてはいけないこんなところでしょうか。他の回答者様へのコメントで仰っておりますが、ハチミツは美味しいのでついついたくさん使ってしまいますね。乳児ボツリヌス症を除けば、ハチミツを摂取することで健康被害が出るということはほとんどありませんのでその点はご安心ください。ただ、糖度が非常に高くカロリーもそれなりですので、くれぐれも食べ過ぎにはご注意ください。ご参考になりましたら幸いです。