引っ越し蕎麦は江戸時代に町人文化が発祥とされています。最初は
小豆粥を重箱に入れて近所に振舞っていたようですが、作るのも大
変ですし材料費も高く、引っ越し早々に高額な出費では生活が成り
立たないと言う事で、値段も安く味も良いと言う事で蕎麦に白羽の
矢が当たって全国に広まったと言われています。
つまり東京以外の地方が発祥ではなく、江戸(現在の東京都)が発
祥のようですから、地方だけの風習と言うのは間違いです。
蕎麦は細くて長い事から「細く長い御付き合いを御願いいたします」
と言う意味で蕎麦が使われるようになったとも言われています。
地方では近所の方々と仲良くし、挨拶だけはキチンとしなさいと親
から厳しく言われたはずです。万が一の時に頼りになるのは親戚で
はなく近所の方々と言われてましたので、地方では今でも引っ越し
蕎麦を配る方も多いようです。
しかし東京では隣の部屋に誰が住んでいるのか知らないと言う人も
多く、引っ越して来ただけで挨拶に来られては迷惑と言う方も少な
くありません。大半の方が関わりたくないと言うのが本音です。
東京で下町のような所なら引越し蕎麦は必要かも知れません。でも
最近では蕎麦アレルギーの方も居られますし、蕎麦嫌いと言う方も
居られます。既に料理は作ったのに、蕎麦を持って来られても誰も
食べないで捨ててしまうと言う方も多くなっています。
東京のどの辺に引っ越しされるか分かりませんが、とりあえず引っ
越しされた地域の自治会長(町内会長や組長)さん宅に最初に挨拶
に出向き、地元の有名菓子等を渡されると良いでしょう。
向こう三軒両隣って言葉があるように、これらの方々にだけ何等か
の手土産を渡されると良いかと思います。引っ越した地域の全ての
方々全員に配るのは大変ですから、向こう三軒両隣の方々だけで十
分かと思います。その他の方々には挨拶程度で十分です。
手ぬぐいとかタオルとかで構わないと思います。