歯科医師HINOMIYAがお答えいたします。
歯の移植術は、かなり一般的な治療です。
抜いたばかりの歯を再植するので、外傷などで脱落した歯を再植するよりも、ずっと成功率が高いです。
ただ、そういう意味での技術的なハードルは低いですが、実際に歯の移植術を適応した方が良い症例というのがあまりないのが現状です。 しかし、条件さえ良ければ、躊躇ぜず行える一般的な方法です。
さて、簡単に移植できる条件とは、
1.虫歯か外傷(歯が割れるなど)により、歯を抜か
なければならない。
2.抜いても良い歯(ほとんどの場合智歯-親不知の
こと-ですね)あるいは、移動させた方が良い歯
があること。
歯の大きさや顎の骨の状態などをキチンと診断し泣ければなりませんが、上の二つの条件が満たされれば、移植も視野に入れて治療法を考えることにしています。 ですから、ご相談のような症例であれば、別に移植を行っても不思議ではありません。
ただし、移植歯は、一生持つというモノではありません。 成功例で5~10年(10年も持てば、大成功です)くらいですね。 しかし、その限られた時間であっても、自分の歯を使っていただく方が、結局は体のためになると信じて治療しております。 義歯やサシバと仰いますが、所詮は人工物です。 実際のところ、十全に機能を回復出来る補綴物をお入れするのは非常に難しいですし(特に歯の抜けた後をなんとかするのは、とても難しい)、少しでもご自分の歯で噛んで頂きたいと思っています。