2013 全国学力調査の問題、正答例がおかしい
先日行われた2013年の全国学力調査 中学・数学Bの問題と正答例がおかしいと思うのですが皆さんはどう思いますか。
そのおかしな問題は5番の(2)です。
そもそもこの5番の問題は、『自分たちのクラスの33名の生徒が、どんな形の長方形を美しいと思うかを調べる』というもので、まず縦5cmの線を引き、それを1辺とする美しいと思う形の長方形を、クラスの33人に回答してもらうことから始まります。
(当然、横の辺がが5cm未満(=縦長)が美しいと思うという回答もありますし、5cm超(=横長)が美しいと思うという回答もあります。実際には2cmから10cmまでの回答があったことになっています)。
設問(1)は、縦5cmに対して横の辺の長さがどのくらいであったかという分布に関するものです。
これはまあ良しとしましょう。
問題は次です。設問(2)では、回答された長方形の「長辺÷短辺」の値の分布を調べ、その値が1.5から1.7になる回答が一番多いことから『クラスの多くの生徒が美しいと思う長方形は、長辺の長さが短辺の長さの1.5倍から1.7倍のものであることがわかる』という正答例を提示しています。
ちょっと待ってください。「美しい長方形」とは、長辺と短辺の比率だけで決まるのですか。そんな細かい比率よりは、縦長(あるいは横長)という形の方が大事だという人もいっぱいいるのではないでしょうか。
ということで、この5番(2)の問題と正答例は
(1)考え方そのものがおかしい
(2)こういう考え方が正しいと中学生に誤解させてしまう
という二つの面で非常に問題だと思うのですが。