本人は「自分か家族の身に危険が及ぶかもしれない」と思っているかもしれませんし、まあ相手からそういう脅しはされたでしょう。「奥さんを一人で外に出さないほうがええぞ」とか「お前も人気のない所を歩くときは背後に注意しろよ」とかね。
でも、殺人を犯せばどんな極悪人を殺しても10年は刑務所入りです。彼がそれに見合うほどの秘密を抱えているわけでも、「殺さないと収まらない」というほど相手に損をさせているわけでもありません。相手の「飲食店オーナー」というのは「ケツもちのヤクザがいるキャバクラのオーナー」でしょうし、「不動産会社の社員」も「暴力団の企業舎弟の不動産会社の社員」でしょう。いるんですよ、いわくつきの物件を扱うような不動産屋がね。
話がちょっと横道にそれますけどね、そういう不動産屋に騙されかけた人を知っているんです。ある人の隣家が色々あって競売物件になることになったので、不動産屋から「買わないか」と持ち掛けられたのです。もちろん競売物件だから格安で買える。その人は買う気になったのです。だけどある人に相談したら「それは危険な臭いがするからやめたほうがいい」といわれて不承不承購入は見送ったのです。その土地は全く別の人が競売で落札して、内心「格安で買えたのに。もったいないことをした」と思ってたそうです。ところがその隣家の土地を購入した人がそこに家を建てようとしたらある問題が発生しました。なんと、何者かによって、その最初に購入を持ち掛けられた人の土地との境界線1mくらいの幅の土地が切り取られて別の人名義になっていたそうですよ。つまりその人がもし隣家の土地を購入していざ2区画分にまたがった家を建てようとしてもちょうど自分の土地の真ん中に幅1mの「別の人の土地」があるから建てられなくなるわけです。もちろんそこを購入しようとすれば法外なお金を吹っかけられるのは言うまでもありません。つまり、最初に購入話を持ち掛けた不動産屋は少なくともグルだったのです。怖い話ですね・笑。
ま、つまりそういうことをやるような手合いだったのでしょう。そのスジとのお付き合いもあるから脅し文句は堂に入ったものでしょうし、野球しか知らない世間知らずの青年を震え上がらせるのは簡単なことでしょう。「バレたらお前の顔がスポーツ新聞の一面にのってお前、道も歩けなくなれば再就職もできなくなるで」ってね。
しかし実際に手を出すことはないですよ。私の同級生に弁護士がいますが、そういう恐喝事案で弁護士である彼が脅してきた相手に「お前あの人から手を引け。そうじゃないと恐喝で刑事告訴するぞ」っていうとまず間違いなく手を引くそうです。だけど失敗する場合はほぼ100%、海千山千の弁護士が「大丈夫」といってるのに「もし家族が襲われたり誘拐されたら」みたいにビビって相手の言いなりになってしまうのだそうですよ。まあああいう連中は相手を怖がらせることができてこそ商売が成立するから怖がらせることに力を注ぐのですけどね。