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胸がしめつけられるのは・・・
運転中の「あっ!」という瞬間や、すごく好きな人のことを考えた時、 胸がギュッと感じる事があります。 これらは、いわゆる「胸がしめつけられる」瞬間なんでしょうが、 医学的にはどういう現象なんですか?
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むねの痛みということからお話します。 あくまでも医学的にはつぎのようになります。 胸骨《きょうこつ》が痛い、または肋骨《ろっこつ》に沿って痛い場合に考えられる疾患は、4つほどあります。 すなわち、 (1)狭心症《きょうしんしょう》、 (2)肋間《ろっかん》神経痛、 (3)食道・縦隔《じゅうかく》疾患、 (4)心因性胸痛(いわゆる心臓神経症)です。 ご質問の「これらは、いわゆる「胸がしめつけられる」瞬間なんでしょうが」とおっしゃられる現象は「痛み」として解釈されるのですね このようにして痛みのおこりかたから、(4)の心因性胸痛がもっとも可能性がありますので、この現象とお考えいただいてよいのですね。 まず、(1)の狭心症ですが、 安静時、臥床《がしょう》時に生じる狭心症があります。この型の狭心症は、通常の病院での検査だけでは診断がつかないことがあります。 そのために、24時間記録できるホルター式心電図を記録したり、心臓の超音波ドップラー法で検査します。循環器の専門家のいる総合病院でなくとも最近では簡単に検査できるものです。 (2)の肋間神経痛には、原因がわかるものと不明のものがあります。原因がわかるものとしては、水泡の出現する帯状疱疹《たいじょうほうしん》があります。 帯状疱疹は、水痘《すいとう》帯状疱疹ウイルスが神経根で再活性化することにより発症します。このウイルスは、通常神経に沿って皮膚に現れ、水泡を形成します。その独特な水泡から帯状疱疹の診断は容易です。 しかしながら、まれに皮膚に水泡を形成しない帯状疱疹があります。この場合は、激しい肋間神経痛だけが生じるのです。非常に激しい痛みですが、通常、3週間前後で消失します。けれども、60歳以上の患者さんでは、ときに神経の損傷が残り、そのために帯状疱疹後神経痛となり、ながい間に渡って痛みを残すことがあります。 また、肋間神経痛の原因としては、肋間筋に神経がはさまれる絞扼《こうやく》神経症の可能性もあります。しかし、これはほとんどが一過性で2年も続くことはまれです。 (3)の食道や縦隔の疾患は、CTやMRIで比較的簡単に検査できます。これらの疾患ではほかの症状もでますので、ご質問の場合には、あまり可能性はないでしょう。 以上のどれにも該当しないときが、 (4)の心因性胸痛、いわゆる心臓神経症というものです。 なにも「・・神経症」とまでいかなくとも、極く一瞬の間これと同じ症状がでると考えていただいたほうがわかりやすいですね。 長くなりごめんなさい。 高齢になりますと、「あつ!」という一瞬の「胸がいめつけられる」状態から、大事にいたることがあるものですので。
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- kohji
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お礼
丁寧な回答ありがとうございました。 私が考えていたのはいわゆる「胸キュン」なので、 病気などではないと思います。 心臓神経症に似たものなんですね…。