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ああ、あの時が最後だったんだなと思う事
随分、過ぎてから、 「ああ、あの時が最後だったんだな」 と、しみじみ思った(感じた)事がある事は、どんなことですか。 人が関係している事柄の場合、どんな人ですか。
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俺は東京の大学に進学するために、20歳で実家を出て行った。入学して初めての夏、俺は二週間ほど帰省し、両親のいる実家での生活を満喫していた。暖かく、幸せな時間。そして東京に戻る日の朝、お母さんが駅のホームまで見送りに来てくれた。少し照れくさく、でも嬉しかった。いつもみたいにアホな話をしていたけど、電車が近づいてきた時、オカンは俺に1万円を持たせてくれた。「頑張りや!」と。ウチは裕福ではなく、家計ギリギリのところで俺を大学に行かせてくれていたから、その1万円が持つ重みは計り知れない。電車に乗り込み、俺がオカンに手を振っていると、オカンは何も言わず、寂しそうな顔で俺の顔をただただ見つめていた。 その二ヶ月後、オカンは突然死んでしまった。くも膜下出血でほぼ即死だった。意味が分からなかった。当時のことを思い出すと、今でも気が狂いそうになる。 俺にとって「あの時が最後だったんだな」と感じるのは、オカンが駅のホームで見せたあの寂しそうな顔。そして、オカンがくれたあの1万円札は、当時は考えもしなかったけど、オカンなりの餞別だったのかなと思う。穏やかだけど、どこか寂しそうな影があり、それでいて人一倍人情に厚い、俺ら家族だけに素をみせるような、そんな人だった。
お礼
あなたの前向でいる姿勢をご両親はとても喜んで応援していたのだと思います。 万一困った時に、直ぐに駆けつけることはできないので、ご両親はそんな時の身代わりとして餞別と名を変え送ったのだと思います。