共産主義社会っていうのは建前は「能力に応じて働き、必要に応じて分配する社会」です。こんなことが実現できるなら、それこそ理想の社会です。この社会を実現しようという考えが共産主義で、共産主義社会に至るまでの途中の社会を社会主義社会と言います。共産主義社会になった国はいまだかつて一つもありません。できたのは社会主義社会だけです。
ところがこの社会主義社会も現実には非常に怪しいものでした。社会主義社会実現、共産主義社会実現という「正義」のため、個人の権利を大幅に制限しましたが、そこに権力の偏在が生じました。早い話が独裁です。社会主義者や共産主義者はこの独裁は、「悪の権化」ヒトラーの独裁とは全く別物であるかのように言いますが、実際のところは何ら変わりはありません。
独裁者が変な野望を全く持っていない善人で、もともと国が豊かであるならば、権力が偏在しても、独裁政権には即断即決というメリットがありますので、そこそこ良い政治が行われ、国民から不満の出ることはありません。その良い例が現在のカタールでしょうか。(カタール国民の平均年収は1000万円以上ですが、これはその豊富な地下資源によるものです。所得税、医療費、電気代、電話代が無料などそれこそ夢の世界、地上の楽園です。但し、あくまでカタールは独裁政権であって、社会主義や共産主義ではありません。また外国人男性がカタール人女性と結婚しても、カタールに帰化することはできません。外国人女性の場合はカタール人男性と結婚すれば、帰化可能です。これは中東の石油産出国にほぼ共通しています。)
ところが、過去、社会主義革命の起きた国はすべてが貧しい国でした。マルクスの説に反し、資本主義が発達して豊かな国では一度も社会主義革命は起きていません。国が貧しいことに加え、野望を持った人間が政権を執るものですから、政治・社会は殺伐とし、国民は豊かさとは程遠い生活を強いられます。貧しいだけならともかく、命の保証もされない生活を余儀なくされました。革命の起きた国では非常に多くの人々が粛清されました。知識人が大量に殺されてしまったカンボジアなど、いまだにその影響で医師不足など、社会の復興に支障をきたしています。
>これから共産主義を目指す団体がしたいことって何でしょうか?
これら団体の構成員は、今は表向き人当たりが良く、「共産主義」に幻想を抱いてしまいがちですが、実際は性格の悪い利己主義者たちです。それぞれが自分だけ良かったらよいと考えていますから、本当の社会の利益になることをしません。資本主義で蓄えた富を自分たちだけで横取りしようとたくらんでいます。事実、かつて美濃部亮吉は社会党(現社民党)、共産党の支持を受けて東京都知事を3期務めましたが、民衆懐柔の福祉のバラマキ、朝鮮人優遇政策、恰好だけつけるため高収益であった公営ギャンブルの廃止などをやり、都の財政を滅茶苦茶にしてしまいました。そうしながらも美濃部亮吉は任期終了のつど退職金を受け取り、その総額は当時ですら億を超え、美食三昧で80歳の生涯を終えました。後を引き継いだ鈴木知事のその大変な苦労はいうまでもありません。
「共産主義者」は自分たちでは何も富を生み出すことはできません。これまでの富を無駄遣いして、愚民を騙し、扇動し、自分だけ得をしてどこかへとんずらしようと画策しています。共産主義者許すまじ、そう心得てください。
お礼
長文にて解説ありがとうございます。 カタールおよび美濃部元知事の事例はとてもよくわかりやすい例でした。 独裁であっても国民が富むということあり また、理想を実現するための社会主義であっても 権力が偏在し、また、権力者により富が収奪されるということですね。 利己主義者が、共産主義に憧れるというのは、確かにおっしゃる通りかと。