共産主義とは,社会主義の一つの思想です。
社会主義とは,資本主義の矛盾・負の面・デメリット等を批判してできた思想です。
そして,この中には実に様々な思想・立場が主張され,時には社会主義同士で対立しあう事もあります。(まぁ,これは資本主義でも同じ)
例えば,社会民主主義・国家社会主義・キリスト教社会主義・共産主義・無政府主義(アナーキズム)等々です。
資本主義は個人(資産家)の富の蓄積を追及する経済政策です。
ですが,これを野放しにしていると貧富の格差が広がるばかりです。
そこで,社会福祉政策の充実などを通じて富の再分配を行い貧富の格差を無くそうという政策思想に立つのが社会主義です。
一番いい例は戦後英国でサッチャーが現れるまでの政策である「ゆりかごから墓場まで」というのが有名ですね。
これは,英国の中道左派である労働党の政策で医療費が無料であったり電気・ガス・鉄道・郵便などを国有化したりしました。
所が,英国病という社会保障負担の増加、国民の勤労意欲低下、国際競争力の低下を招き,長い不況の時代を迎えました。
そこに登場したのがサッチャーで,国営企業をバンバン民営化したり,社会保障を削ったりと大改革を行いました。(資本主義化)
因みに,日本も高度経済成長期は社会主義国ですが小泉・竹中路線から極端な資本主義・自由主義化してきています。
共産主義というのは,こうした社会主義思想の一部をさらに一歩進め,すべての財産の共有化により貧富の無い理想郷になるというマルクスの予言のようなものです。
そして,このマルクスの思想を拝借して独裁制を作っちゃったのがレーニンによるソ連や中国,北朝鮮です。
とは言え,これらの国は口ではマルクスの思想に則ってるといいますが,別物です(実際は単なる独裁主義)。
マルクスは資本主義が成熟したあとプロレタリアート独裁による社会主義に移行し,この準備期間を経て共産主義社会になるとしました。
ところが,ロシア(ソ連)も中国も他の共産主義国家も,どれも「資本主義が成熟した」事が無いのでマルクスの言う共産主義社会など来るはずも無いわけです。
そして未だかつて共産主義国家が実現した例はありません。
結論:
>共産主義とはなんですか?
社会主義を突き詰められるだけ突き詰めて,最終的には貧富の格差も政府による支配も無い理想郷になるよ。その為の政策はこうですよ~と述べたもの。
と、大まかにざっくりと説明するとこんな感じでしょうか。
>社会主義と同じ意味ですか?
資本主義の矛盾点・デメリットである貧富の格差の是正や福祉政策の充実させようとい経済政策やその基礎となる思想。
とまぁ,経済思想的にはこんな感じになります。
お礼
みなさんご丁寧にありがとうございます