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相撲の立合いについて教えてください

お世話になります。 相撲の勉強を始めました。よろしくお願いします。 相撲の立合いで、仕切り線から大きく後方に下がって仕切る力士がいますよね。 あれは、何のために下がっているのでしょうか? 単純に考えれば、不利になるような気がしますが、違うのでしょうか。

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  • uniquepro
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回答No.2

仕切り線から離れて立合を仕掛ける力士の特徴は大きく分けて2種類です。 1.実力的不利を挽回するために立合の威力を増すため 前の回答者様も書いていますが、明らかに体格・突進力で劣る相手に対して立合った瞬間に五分五分以上の体勢に持ち込むため、その瞬間までの距離・時間を稼いで組み合った瞬間に有利を得るため。これは概ね「組んでまわしを引く」タイプの(スピードはあるが比較的軽量な)力士がよく用いる方法です。ぶつかる威力だけでなく、受ける相手力士も結果的に普通より開いた距離の立合を利用せざるを得ず、(ここは多分に力学の話ですが)進んだ距離によってはたとえ自分の体重が相手を上回っていても、突進力によって自分がのけぞる=当たりで負けることがあります。 2.最初から奇襲(変化)ありき 1.での仕掛ける側の難点として、相手がまんま猪で何も考えず立合で真一文字に突っ込んでくるタイプの力士の場合、当然ですが距離を開けてぶつかり合うので同じ距離でぶつかり合えば重い力士が当たりで有利になります。よく見られる(質問者様の言う”不利”はおそらくこれ)、軽量力士が距離を開けて立合、ぶつかった瞬間吹っ飛ばされておしまい…というのはこれです。そこで、1.は純粋に肉体的ハンデの挽回目的の立合いですが、ここに「心理的揺さぶり」という目的が加わっての距離を開けた立合いが入ります。 距離を開けた側の力士が立合いの際、上記猪な押し相撲の力士相手に「はたき」を仕掛けた場合どうなるでしょうか。そのはたきが成功すれば、当然仕掛けた側と仕掛けられた側の位置関係は逆転します。仕掛けられた力士の土俵際の徳俵との距離は小さくなります。結果的に1.と同じく「勢いを付けて立合いで押し込む」という目的を果たせることになります。体格で不利でも、徳俵への距離を自分の半分に縮めれば圧倒的有利です。逆に距離が縮まると守勢側の力士は頭も体もかなり混乱します。 これはあくまでも「はたき込み」でのみ有効な手段です。はたき込みは体を開き相手を左右どちらかにいなす動きです(肩すかしと混同されそうですが、肩すかしは本当に進行方向にしか変化をしないので、踏ん張られた時の逆襲を受けやすい。あくまでも引いて”落とす”動きを加えることで効果が発揮される)。一方同じような効果で「引き落とし」がありますが、これは相手を自分の正面に引いて落とす動作なので、必然的に自分の後ろの(俵との)距離が短い状況では使えません。引き切れなければ押し込まれて終わりです。だから角界からも好角家からも嫌われる。 さらに重要なのは、この「変化ありき」の立合いは、普段の取組からある程度「変化をする」と相手力士に刷り込んでおく必要性があります。相手の突進を受け止めて手前に引き落とすのは、はっきり言って誰でも出来ます。角界で言うところの「消極的相撲」はこれです。一方、自分も左右に動きつつ相手をかわすのは、稽古しないで出来る動きではありません。正確には「効果を期待して」出来ないということ。変化を好む力士が立合いで距離を置けば、それだけで相手力士は疑心暗鬼に駆られます。立合いで迷いが出た時点でかなりの確率で負けますから。もう1つの目的としてこの「相手に考えさせる」こと自体を目的にした離れた立合い、という例もあります。立合って以降は多くが肉体的力量で左右される相撲ですが、立合いの瞬間まではそのほとんどが「心理戦」です。 昨今の大相撲が面白くなくなったのは、そういう駆け引きなしで制限時間いっぱいまで漫然と仕切りを続け、立合いも何の面白みもなくぶつかり合って押し合う・組み合うだけ。そのため、現代の相撲で距離を開けての立合いは、実は「奇を衒うだけで意味を持たない」ケースがほとんどです。実際距離を開けてお互いの等距離で立合う(有利不利が全くない)取組ばかりです。あくまでも立合いまでの所作で観客を盛り上げる、言い方はひどいですが「客寄せの道化」と言われる程度の稚拙な策です。それもこれも、体格の有利不利関係なく「立合いは真っ向勝負」を美徳とする歪んだ相撲観が観客に浸透した結果なのですが。 長文失礼しました。 以下個人的意見… (無差別級の格闘技で奇策・変化を悪とするものなど今や大相撲くらいです。これが結果的に体格・筋力で勝る外国人力士の台頭を許したのだと、いつになったら”マヌケな観客”は気づいてくれるのでしょうか。昨年などは特にひどかった。横綱・大関が変化しただけでブーイング、あれが世界中に映像で配信されたと思うと虫酸が走ります。勝つために手段を選ばず手を施すのが本来の士道です。不利を覚悟で突っ込んでやっぱり負けたは無駄死に同然ということに理解が深まればと思います。その意味で今回質問者様が出した立合いの変化については、大いに仕掛けるべきだと思います。大横綱となった白鵬も、その目標とした大鵬も双葉山も、昇進するまではあらゆる変化相撲を仕掛けてきたのですから。おそらく正々堂々の歪んだ相撲観の元凶は、かつての若貴ブーム、藤島(後の二子山)部屋力士(貴ノ浪を除く)による、変化を極端に嫌う相撲で人気を得たのが原因の1つだとは思いますが。実際この時、現代にも続く大相撲の悪しき慣習、仕切り時の睨み合い、立合い後の張り手の応酬という醜いだけの所作も作り上げられたわけです)

aloebanana
質問者

お礼

心の中で疑問に感じていたことがすべてクリアになりました。 すごいですね。 感謝いたします。ありがとうございます。 「変化しますよ、ということを普段からある程度刷り込んでおく」というくだりで、納得がいきました。これがわからないと、変化をつける力士に対してずっと不満を感じていなくてはなりませんでした。よかったです。 白鵬も大鵬もやっていたのですね。成長の過程ではいろいろやってみないことにはわからないですもんね。 本当にありがとうございました。ますます相撲に興味深くなりました。 今後ともいろいろ教えてください。

その他の回答 (1)

回答No.1

立ち合いの当たりをより強くするため、要するに、突進力を強めるためです。 相手の動きを見る意味もあります。

aloebanana
質問者

お礼

どうもありがとうございました。 今後ともいろいろ教えてください。

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