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IMFは加盟国以外に融資はしないのでしょうか?
IMFについて質問です。 加盟国以外への融資は行わないのでしょうか? またどんな本やサイトを見れば、そのことがわかるでしょうか? ご存知のかたがいらっしゃいましたら、教えてください。 お願い致します。
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- Ganymede
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IMF協定第17条第3項に基づき、非加盟国もIMFの特別引出権保有者となることができます。 実際に非加盟国が融資を受けることが可能になったかというと、少なくともスイスは1984年からそうなっていたことが、下記の記事から分かります。ただし、スイスに対して融資が実行されたかどうかまでは知りません。 コトバンク知恵蔵2014(https://kotobank.jp/dictionary/chiezo/)で「IMF融資制度」を検索 〔引用開始〕 1962年には、IMFと先進10カ国(米国、英国、旧西独、フランス、イタリア、オランダ、ベルギー、スウェーデン、カナダ、日本)の間でGAB(一般借入取極、General Arrangements to Borrow)が締結された(84年には当時IMF非加盟国のスイスも参加)。当初は、GAB参加国がIMFから融資を受ける場合、IMFの資金を補充するために60億ドルの範囲内でIMFが他の参加国から借り入れを行うものであった。その後、発展途上国の累積債務問題が顕在化し、83年にGABは10カ国以外の国々への貸し出しの場合でも利用できるようになり、IMFの借り入れ枠も170億SDRに拡大された。 [引用終り] 前出のIMF協定第17条の条文は、下記のようになっています(「法庫」から引用)。多少古いのですが、ネット上で日本語で読めて便利なので引用しました。最新版はIMFの公式サイトにあり、第17条については変わっていないようです。 国際通貨基金協定の第2次改正(1978年4月4日条約4号) http://www.houko.com/00/05/S53/004.HTM 〔引用開始〕 (参加国及び他の特別引出権保有者) 第17条 [中略] 第3項 その他の保有者 基金は、 (i)非加盟国、参加国でない加盟国、中央銀行としての機能を二以上の加盟国のために営む機関及び他の公的機関を保有者として定めることができる。 [中略] (i)の規定に基づいて保有者を定めるためには、総投票権数の85パーセントの多数を必要とする。 [引用終り] IMF協定の最新版(IMFの公式サイト、英文) http://www.imf.org/external/pubs/ft/aa/index.htm ご存知のように、IMFでは各加盟国の出資割当額にほぼ比例して投票権数が割り当てられます(国連総会のようにどの国も1票ずつというのではない)。その85%を必要としたわけです。また、特別引出権(SDR)の仕組みについては、下記のサイトが分かりやすく解説しています。 ジェトロ(日本貿易振興機構)アジア経済研究所 - 世界的景気後退とIMF改革(2009年10月) http://www.ide.go.jp/Japanese/Research/Region/Asia/Radar/20091001.html 〔引用開始〕 SDRは一般の取引に使えるような国際通貨ではありません。それどころか、IMFへの請求権でさえないのです。SDRの説明としては「他の加盟国から外貨を借り入れることができる権利」と言うのが適切です。SDRは他のIMF加盟国にのみ売却することができ、売却した加盟国は、購入した加盟国に対して金利を支払います。その代わり、SDRの売り手は、ドルや円、ユーロなどの国際通貨を入手することができるというわけです。従って、実質的にはIMF加盟国の間での貸し借りを保証する仕組みに他なりません。 [引用終り] どうも、ネットでは偏(かたよ)った意見が横行しがちで、「日本は貸すことはあっても借りることはない」などと妄信する人もいるようです。 しかし、IMFの融資制度には、スタンドバイ取極(SBA)、拡大信用供与(EFF)、補完的準備融資(SRF)、緊急支援(EA)などさまざまな種類があります。私人ならともかく、企業や国というものは、莫大な借金を抱えているのが常態でしょう。それらの大きな組織は、借りたり貸したり(融資を受けたり投資したり)盛んにお金を動かしています。一国の政府たるもの、普段から各方面と「お金を貸し借りできる枠組み」を構築しておかなければ、逆に無責任と見なされるでしょう。
- fujic-1990
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広辞苑での「IMF」の説明に、『国際収支難に陥っている"加盟国"への短期資金の融資』という言葉があります。 国語辞典でさえ書いてありますので、事典類なら必ず書いてあるでしょう。 融資は、加盟国限定ですね(とは言っても、2009年8月現在186ヶ国加盟なので、事実上どの国でも?)。 実際、IMFから融資を受けると、IMFからさまざまな束縛を受けます。だから、あらかじめその強制を受け入れることを約束し、返済意思と返済能力アリと認められた国、すなわち「加盟国」でなければ貸すことができませんですね。 IMFから融資を受ける国が条件として課せられる政策プログラムを、アイエムエフ・コンディショナリティーと言います。 例えば韓国が融資を受けたときは、「財政を健全化」したり、「経済を自由化」するために企業の株の売却とか、財政支出制度の撤廃とか、増税もそうだったと思いますが、さまざまな命令を受け、実行せざるをえませんでした。 その結果、いまでも主要銀行など(サムソン株もそうだったと思う)の株が海外勢の手に握られており、韓国企業が稼いで得た利益は、部品を供給する日本と、株主の海外株主の手に渡る仕組みになっています。 韓国人に残るのはプライドだけ、というのが実情です。 韓国人はこの時の息苦しさ、耐乏生活を称して「IMF危機」と言っている由ですが、それを危機と呼ぶなら危機を招いたのはIMFではなく自分たちですし、それを危機と呼ぶなら危機は続いて過ぎ去った歴史ではないという2点で、彼らは勘違いしていることになります。 それはともかく、こういう強制に耐えられる国にだけしか融資は行われません。
お礼
さっそくご回答いただきありがとうございました。 また詳しい事例までありがとうございました。 とても参考になりました。