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マイクの音割れの仕組みについて
- マイクの音割れを軽減できる方法や原因、仕組みについて知りたいです。
- ECMを使用したマイクを使っていますが、音割れが起こる問題について詳しく知りたいです。
- マイクで音を拾った時になぜ割れてしまうのかの原理や対策について教えてください。
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こんにちは。 結論から先に述べると、割れない程度に音元から離して使うことしか解決方法は有りません。 エレクトレットコンデンサーマイクロフォン(ECM)の構造は添付画像の通りです。 http://mehp.mech.saitama-u.ac.jp/activities/intro/infoElectret.html から引用させていただきました。 この図は背面電極にエレクトレットが使われていますので、正確にはバックエレクトレットコンデンサーマイクです。 コンデンサーマイクの場合は、電極(electrode)に高電圧(成極電圧という)を掛けますが、その代用として電荷を閉じ込めた高分子(Polymer electret)を使うのがエレクトレットコンデンサーマイクです。 背面の固定電極と振動板(Diaphragm)電極でコンデンサーが形成され、音(空気圧の小刻みな変化)で振動板が揺れてコンデンサーの容量が変化するのを、FETでインピーダンス変換して電気信号にするのが、コンデンサーマイクの仕組みです。 感度を高めるには、成極電圧を高くするか電極間の距離を小さくします。エレクトレットコンデンサーマイクでは成極電圧はありませんので、電極間の距離を小さくするしかありません。実際に数十ミクロン単位の非常に狭いものです。 また、低音の感度を上げるには振動板を大きくしたり重くしたり張力を小さくしたりという方法が考えられます。この副作用は振動板の共振周波数が超音波域から高音可聴域に入って来るので限度があり、マイクの音の個性となっています。 ところで、ご質問のエレクトレットコンデンサーマイクの音割れですが、電極間の距離が小さい事に起因します。電極間の距離以上には振動できませんのでね。 エレクトレットコンデンサーマイクは、成極電圧を高くできるコンデンサーマイクより限界(最大入力音圧)が低いのが通常です。 もう一つは、インピーダンス変換するFETの動作域(ダイナミックレンジ)の制限です。オーバーすれば頭を打ち、小さすぎればノイズに埋もれます。 エレクトレットコンデンサーマイクでは、マイクとFETの上限はほぼ合わせてあるようです。コンデンサーマイクにはしばしばありますが、Pad(減衰器)を入れて感度切り替えできるエレクトレットコンデンサーマイクなんて知りません。 これくらいではiPodのヘッドアンプで頭打ちしている可能性は少ないと思います。 C9767BB422LFPは-42.0dB/Paと感度高めですので、電極間の距離が狭くなっている可能性は高いですね。 マイクの限界と考えるべきでしょう。 WM-61Aは-35dB/Paと更に高感度です。したがってバイノーラル用として発音元から離れて環境音を収録する目的に適しているようで、検索してもその方面での使用例が多く有ります。 どちらとも、製品コンデンサマイクのようにどの程度の音圧まで耐えられるかという最大入力音圧表示があれば限界を知ることができるのですが、表示無しなので使ってみなければ解らないという事になります。 プラグイン高耐圧マイクの例(企業向け製品、プラグイン対応では珍しく最大入力音圧記載されてます) http://www.primocorp.co.jp/product/PDF/EM166.pdf 高耐圧のマイクユニットは動作電圧も高めです。一般的にはプラグインパワーではなくて別途電源を設けることになるでしょう。そういったマイクは、そもそも電源端子が別になっていてプラグインパワー用には作られていませんけど。 楽器(ドラムスは無理かもしれませんが)仕込みにも使えそうな3線式マイクの例(企業向け製品) http://www.primocorp.co.jp/product/PDF/EM173.pdf このようなマイクが、パーツ屋さんに流れているかも知れません。 余談ですが面白い使い方をされてる人もありますね。 http://38kan.blogspot.jp/2012/08/blog-post.html コンデンサー型カートリッジなんてオーディオ史に無かったように思います。 (このリンク先でいう感度は、音に対するマイクの感度ではなく、メカとの適合性になりますのでご注意) では、頑張って研究製作チャレンジしてください。
お礼
先日はマイク関係の質問でお世話になりました。 今回も詳しい説明ありがとうございます。 照らし合わせながらまた勉強してみます