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wais-IIIのプロフィール分析についてです
ADHDの気があるとのことで検査を行い、先日検査結果を聞いてきました。 結果は、行動療法を行うことになって、通院や薬での治療は不要とのことでした。 担当医の方はきちんと説明をして下さったのですが、時間が経つにつれてもっと詳細を知って今後につなげたいと思い、質問をさせて頂きました。 全検査IQ 106 言語性IQ 104 動作性IQ 106 群指数・・・ 言語理解 111 知覚統合 114 作動記憶 92 処理速度 105 言語性・・・評価点 単語 11 類似 14 知識 11 理解 13 算数 10 数唱 5 語音 11 動作性・・・評価点 絵画配列 8 絵画完成 9 積木模様 17 行列推理 11 符号 10 記号 12 組合せ 5 どうぞよろしくお願い致します。
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- vzb04330
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心理士です。 No.1の方のご回答にある資料は、WISC-IIIについての解釈の資料ですから、残念ながら、参考になるところもありますが、そのままでは利用できません。 数値的な結果のみが書いていただいてありますが、本来であれば、質問者様の日常行動や、仕事などにおける特徴、学生時代の学業成績などと照らし合わせて、結果の評価や、解釈をする必要があります。 また年齢も分かりませんので、数値から考えられる一般的な解釈について書かせていただきます。 その意味では、以下の初見は、「仮説」ということですから、質問者様ご自身で、普段の暮らしの中で感じていらっしゃる特徴や、困っていらっしゃる点、逆に、能力が高いとか、得意な部分と一致するかどうかをよく吟味してください。 これらの特徴と一致するところは、検査所見が質問者様の特徴を正しく表しているところと考えられます。 一致しないところや、反するところがあれば、それらについては、質問者様の特徴であるかどうかの評価は、保留しておいてください。 1.結果の見方 1)IQと、群指数 WAIS-IIIのIQ(知能指数)は、ある年齢集団の中で平均的な成績を取ったときに、IQ=100になるよう設定されています(統計学的には、標準得点といいます。群指数も同様です)。 したがって、「相対的な得点」ということができます。 また、IQ=90~109が、「平均」と判断され、この範囲に50%の人たちが含まれるように作られています(これも、群指数についても共通します)。 2)評価点 下位検査の評価点も、ある年齢集団の中で平均的な成績を取ったときに、評価点=10になるように換算されます。 IQと同様に相対的な得点であり、7~12が「平均」の範囲です。 2.IQからみた知能水準 質問者様の全体的な知能の高さは、全検査IQ(FIQ)=106という結果から、「平均」的であるといえます(本来は、誤差の範囲=信頼区間を考えて説明する必要がありますが、煩雑になりますので、今回は割愛します)。 言語性IQ=104、動作性IQ≒106と、この両者の間には、統計的な有意差(統計的に見て、意味がある差)は認められませんでした(数値的に違いがあっても、この統計的有意差が認められなければ、差があるとは考えません)。 したがって、言語聴覚的な能力と、視覚運動的な能力との間には、差はないと考えられます。 また、言語性IQ、動作性IQとも「平均」の範囲にありましたので、質問者様の知能の高さは、全体的にも、言語的、視覚運動的な能力の面から見ても、平均的な高さであるといえます。 なお、最近の理論的、実証的研究の進歩で、言語性IQ・動作性IQという区分には、意味がないことが分かってきて、WAIS-IIIの次期バージョン(WAIS-IV)では廃止される見込みです。 実際、児童用のWISC-IVでは、この区分は廃止されました。 それ故、ここでは、言語性IQ・動作性IQについての説明はこれ以上は控えます。 3.群指数から見た特徴 群指数は、次のような能力を測定しています。 ・言語理解……言語の理解力だけではなく、言語表現能力や、言語を使った思考、推理の能力 ・知覚統合……視覚や、視覚-運動に基づく、認知や、情報処理、また、非言語的な思考、推理の能力 ・作動記憶……入力してきた情報を数秒から数10秒保持しておくととともに、その保持された情報を使って何らかの心理的作業、情報処理を行う能力。とくに聴覚・言語的な情報に基づいて、こういったことを行う能力 ・処理速度……心理的な作業、情報の処理を行うスピード。視覚的な情報の短期記憶能力や、作動記憶、書字などの速さも含む 質問者様の場合、言語理解=111、知覚統合=114、作動記憶=92、処理速度=105という結果でした。 まず、それぞれの数値から見た、それぞれの能力については、4つとも、平均(90~109)の範囲内にあるか、もしくはそれ以上(110~119を「平均の上」と評価します)でした。 しかし、この4つの群指数の間には、統計的有意差が認められました。 それをまとめますと、 知覚統合≒言語理解≒処理速度>作動記憶 となります。 つまり、作動記憶のみが、他の3つの群指数に比べ、有意に低くなっていました。 これが、群指数から見た、質問者様の認知能力の特徴といえます。 すなわち、「入力してきた情報を数秒から数10秒保持しておくととともに、その保持された情報を使って何らかの心理的作業、情報処理を行う能力」が、平均の範囲にはあるものの、質問者様ご自身の中では、苦手な能力と考えられます。 とくに聴覚言語的な情報について、忘れてしまいやすいとか、聞き直しが多い、ことばだけで聞かれた質問について考え回答するのが苦手ということがあるかも知れません。 もしこういうことがあるようでしたら、重要なことがらや、何をすればよいかということについてはきちんとメモを取り、それを読み返したり、確認したりするということが有用でしょう。 ちなみに、この作動記憶が苦手であるという点は、ADHDと診断される方に比較的よく見られる特徴です(ただし、このことは、作動記憶が低いからといって、ADHDと診断されるという意味ではありませんのんで、その点をお間違いなく)。 4.下位検査の得意・不得意パターンに基づく分析 質問者様の下位検査評価点をざっと拝見しますと、平均である10を中心にかなり高低のバラツキが認められます。 これも、ADHDなど発達障害のある方に多く見られます。 そこで、下位検査の評価点の高低のパターンを分析しますと、次のようなことが考えられます。 1)強いと考えられる能力 ・言語的な情報に基づいて推理、思考する能力……ことばで考えるクイズは得意、聞いたことや読んだことからそれについて代替のイメージを浮かべられる、多少分からない単語があっても、前後関係で文章の意味はだいたい推測できる ・抽象的な言語概念を考え、説明する能力……抽象的なことばについて説明を求められても、具体例を挙げながら説明できる、具体的なことばや話の内容について、言い換えたり、まとめたりすることができる ・抽象的な数字や、記号を視覚的に認知する能力……形、模様、色などだけに基づいて、何かを分類するようなことは苦手 ・手本やモデルを再構成する能力……日曜大工や、パズルなどでは、完成図を見ただけでつくることができる 2)弱いと考えられる能力 ・意味のある情報を視覚的に認知する能力……人の顔を区別したり、人の顔と名前を一致させることが苦手、服装や髪型、雰囲気が違っていると誰だか分かりにくい、あるいは、少し曖昧出会ったり、一部分だけの情報では人や、ものを区別しにくい ・非言語的な、つまり、視覚的な情報に基づく推理、思考能力……一部や、断片の写真野営増を見るだけでは、全体や結果を予想することが苦手、機械などでうまく動かない理由や、どこが故障しているのか、原因を見つけるのは苦手 ・視覚的な情報だけに基づいて、全体を理解したり、全体像をまとめ上げる能力……絵、図、文字などで、印刷がはっきりしなかったり、抽象化されたりしていると、何が書かれているのか分かりにくい、テレビやドラマなどで、途中を見逃すと、ストーリーが理解できなくなる ・情報を1つずつ順番に処理する能力……見聞きした手順を飛ばしたり、順番を間違えることがよくある、順番がメチャクチャで話が分かりにくいといわれる、漢字の書き順を覚えるのが苦手であった 3)知的能力発揮に影響する因子 ・過度に具体的な思考をしがちである……他者やものについて説明を求めると、表面的、外見的な特徴に関する点ばかりで、内面的、本質的な点に触れることが少ない、理論的、抽象的な穴師を理解することが難しい、お世辞や、冗談を表面的に、ことば通り受け止めてしまいがち ・自信がないと答えない傾向……当てずっぽうでは答えないことが多い、少しでもリスクがあると実行しない傾向がある 以上は、すでに述べましたように、以上は下位検査の数値的な結果に基づいて考えられる質問者様の特徴についての「仮説」です。 思い当たるところがありましたら、それは質問者様の特徴であると考えられます。 5.知能の特徴に適した対処、対応 知能検査の結果は、数値で示されますので、苦手なところ、劣っているところに目が向きがちですが、実際には、得意なところ、長所を活かすことが、基本であり、重要です(長所活用型アプローチといいます)。 短所を改善することはとても難しく、効果がなかなか上がりませんので、それは避けてください。 短所や苦手なところについては、そういう能力をなるべく使わないで済むようにしたり、長所でカバーするような工夫をしたりするとよいでしょう。 以上、お示しになった数値的な結果に基づいて、分かることを書かせてもらいました。 参考になれば、幸いです。 なお、本来でしたら、検査を実施してくださった心理士さんに分析していただき、直接、説明を受け、ご相談になることをお勧めします。 それは、最初に書きましたように、日常生活、仕事などでみられる特徴や、検査場面での行動観察を踏まえて検査結果を理解することが望ましく、また、その必要があるからです。
こちらが分かりやすいと思います。 http://www.akita-c.ed.jp/~ckyk/kenkyu/h15/pdf/tok/10.pdf