>外国の争いを作り出すため宗教を利用した
確かに、恐ろしく分かり難く、その上誤解を生む表現です。
上記の表現を言い換えると「宗教を利用して国際間の争いを作りだした」あるいは「国際紛争を起こすために宗教を利用した」ということになります。
要は国際紛争を起こすことが目的にされていたことになります。
何の為にわざわざ戦争などというバカなことを始めるのか、という疑問に繫がってしまいます。
この疑問を解く鍵は石油です。
中東と呼ばれる地帯の地下には、石油が豊富に埋まっています。
この石油を掘りだす場所を支配している人間が自分の国の言うことをよく聞く連中であれば、極めて好都合です。
自分の国に敵対する人間が支配していたら、自由に安く掘り出して持ち出すことができなくなってしまいます。
この都合の悪い連中を直接追い出すのではなく、その都合の悪い連中と違う教義を信じている人をけしかけて、あいつ等を追い出せば、お前が信じている教義の信徒仲間の住む場所が広くなり、埋まっている石油の代金もお前たちのものになる、とけしかけます。
つまり、自分は何もしなくても、武器や武器を買う費用を渡してやるだけで、易く石油を手に入れることができるようになります。
石油が安く手に入れば、あらゆる製品を安く作ることができます。
この製品を他の国に売りつけて、その国を自分たちの販売市場としてしまうことが簡単にできるようになります。
ヨーロッパや遠いアメリカに居ながらにして、戦争をして自国の国民の命を失うようなことはせずに、市場が手に入って繁栄することができるようになります。
つまり、平たく言えば、ヨーロッパやアメリカが金儲けのために、中東の人達に戦争をさせているということができます。
中東の人達もそんなバカなことをしてないで、仲良くすればいいではないか、ということになります。
残念ながら、物事は理想通りには簡単にいきません。
中東は砂漠地帯であるために、農産物が非常に手に入りにくい環境です。
長い歴史の中で、インドや中国とヨーロッパとの間を結ぶ通商によって栄えてきていた人達です。
ものつくりの経験が乏しい人達です。
結果として、工業生産と言っても悲しいことに作る技術や知識を持っていないために上手く作れません。
この人達の住む土地の下にいくらでもお金になるものが眠っている状態です。
この人達はみんな敬虔なイスラム教徒です。
宗教というものが厄介なのは、その経典に書かれていることをどのように理解して実行したら良いか、ということで意見が対立してしまう宿命を持っています。
日本でも、浄土真宗や日蓮宗などのように、同じ仏教でも意見が対立しています。
これが意見の対立だけで済んでいれば左程には問題にはなりません。
しかし、教団というような大きな組織になってくると、お互いの主導権争いというものが生じてきます。
国を治める地位にどの教団の人が就任するかで、その国の中での教団の信徒の取り扱いに差がでてきます。
自分と同じ教団に属する人を優遇して、他の教団の人達を冷遇するようになります。
唯一の収入源である石油から得た利益をどのように配分するのかで差が出てきます。
結局、石油からの利益を巡って教団どうしが争うことになってしまいました。
これに、アメリカやヨーロッパの国が目を付けて、自分達の言うことを聞く教団を支援するということをやっています。
このような複雑な経緯を「外国の争いを作り出すため宗教を利用した」という表現になっています。
イスラエルという国の問題は全く別な問題です。
第二次世界大戦でドイツのナチスという政党がヒットラーという男を先頭に立てて、ユダヤ人と呼ばれる人達を虐殺しました。
直接手を下したのはドイツの人達ですが、ヨーロッパのどの国の人達もそれ以前からユダヤ人と呼ばれる人達を蔑視して阻害し迫害してきていました。
ユダヤ人と呼ばれる人達は、国家という形で纏まって住むことが無かった人々です。
ヨーロッパ全域に広く分散して暮らしていました。
現在もクルド人と呼ばれる人達が中東の広い地域に分散して暮らしています。
第二次世界大戦が終了した後で、このユダヤ人と呼ばれる人達の取り扱いにヨーロッパの人達は困惑してしいまいました。
どの国も元々蔑視して阻害し迫害してきていた相手ですから、私の国で引き受けましょうとは、どこの国も言い出しませんでした。
アメリカも知らん顔をしていました。
解決策として、パレスチナの人々に何の断りもなく、パレスチナの人達が住む地域にイスラエルという国を作って、そこへ移住させるようにしました。
論拠は、ヨーロッパなどキリスト教圏の人々が大切にしている聖書に、イスラエルの地は神がユダヤの人達に約束をした土地だと書かれている、というだけです。
コーランにはそんなことは一言も書かれていません。
ユダヤ人と呼ばれる人達はキリスト教よりも古いユダヤ教という宗教を信じている人達です。
長い歴史の結果、目の色、髪の色、肌の色が違う人々が沢山います。
パレスチナの人々はイスラム教徒です。
土地を奪われたパレスチナの人々が怒るのと同時に、中東に住む同じイスラム教を信じているの人々も怒りました。
この怒りが未だに収まっていません。
先日も再び戦闘が開始されました。
つまり、イスラエルでのゴタゴタは侵略者と非侵略者の闘争です。
たまたま、侵略者と非侵略者が信じる宗教が違っていたというだけです。
第二次世界単線でヨーロッパで迫害されたユダヤの人達が沢山アメリカへ逃れました。
戦後、経済的に成功した人が数多く輩出しました。
これらの人達が、アメリカの議員のスポンサーとなって選挙資金を提供するとともに、イスラエルに対して膨大な武器や資金を提供しています。
まぁ~なんともややこしい話です。
結果として、諸外国が自国の国益のために中東の人達の宗教論争を利用したというほうが分かり易いかもしれません。
お礼
ご回答、ありがとうございます。 石油が鍵なのですね。 アメリカや西欧の国が金儲けのために中東で戦争させているのですね。 中東の国のなかでも同じ教団の人を優遇して、違う教団の人を冷遇するということがあって、石油の利権をめぐって教団同士で争っているのですね。そして、アメリカやヨーロッパは自分たちの言うことを聞く教団を支援しているのですね。 ユダヤ人の受け入れ先がなくて、その解決策としてパレスチナの人に断わりもなくパレスチナの人が住む地域にイスラエルという国をつくって、そこに移住させてしまったのですね。これではパレスチナの人たちが起こると思います。イスラエルのごたごたは侵略者と非侵略者の闘争であって宗教の戦いではないのですね。 あと、アメリカで成功したユダヤの人たちがイスラエルに対して膨大な武器や資金を提供しているのですね。 私にとって、知らないことばかりです。 いろいろお教えいただき助かりました。 心から感謝いたします。