~No.3の続きです。
こちらは先の回答でも書きましたが、出来れば普段からこちらをプリントしたものを持ち歩いて繰り返し読んだり、身近な人にも渡して読んでいただいたり、こういったサイトがあるということ事態を知ってもらうように働き掛けてください。
嘆くのは、その後でも良いと思います。
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【自閉症スペクトラム障害(ASD)】http://homepage3.nifty.com/aries/asd.pdf
より
8P:◆AS(アスペルガー症候群) ~より抜粋(※一部記述を省略)
【社会能力】マイペースで、こだわりが強い
【注意能力】外界や内面に気が散りやすい
【感覚能力】感覚過敏や自律神経過敏あり
【どのような様子が見られたら疑うか】
友達ができにくい、一人を好む、こだわる、物忘れ、パニック
規則を守る、正義感が強い、記憶がよい、繊細
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12P:◆自閉症理解のキーワード(1)
≪Single Focus(単一焦点) Mono Track(単一路線)≫
(1)一度に一つのことしか意識できない(部分的意識、木をみて森をみず)
(2)ものごとの二重構造が理解できない(表面的理解、字義どうりの解釈)
(3)同時に2つのことが行えない(系列的実行、一回に一個)
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13P:◆自閉症理解のキーワード(2)
≪「中心的・首尾一貫性」の障害(セントラル・コヒーレンス)≫
複雑な社会的状況の中心に首尾一貫して存在している
意味合いを把握する能力
・自らの体験にとって、体験のどの部分が重要で、どの部分が重要でないかを判断することに困難さがある
・体験の部分をつなげて自らの体験を理解していくので、一つ一つの体験が、
その本質的な意味合いから離れた具体的な事実のつながりとなってしまう。
・自らが理解した事実のつながりが少しでも変わってしまうと、理解全体がこわれてしまい不安感やパニックにおそわれる
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14P:◆自閉症理解のキーワード(3)
(3)Anxiety (不安)
(1)どうしてよいかわからない(状況不安)
(2)どうしても耐えられない(感覚不安)
(4)Flash back (フラッシュバック)
過去の記憶が鮮明に視覚的感覚的に想起される
(5)Visual thinking (視覚的思考)
言葉が映像になり映像で記憶したり考えたりする
(6)Hyper-sensitivity (感覚過敏性)
特有の感性を持ち、外界の刺激に引き付けられる
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16P:◆自閉症認知の特徴
(1)情報の雑音の除去が困難で、同時に一つのことしか処理できない。
(2)認知に慣れが生じ難く、汎化ができない。
(3)認知したものと心理的距離がとれず、見通しを持つことができない。
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18P:◆認知に慣れが生じ難く、汎化ができない
・自閉症の場合、何度も体験したからといって徐々に慣れてくるということが期待できない。
・汎化(応用)ができず変化に対しては常に強い抵抗がある。
・こだわっている方が、他の情報処理にエネルギーを使うことが少なくなり、楽に暮らせる。(ニキ・リンコ)
→「こだわりの尊重と活用」が必要不可欠である。
→「予定を変更せず」、どうしても変更が必要な時には必ず「予告を行う」ようにする。
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20P:◆視覚による思考
・自閉症の中には、言語が意識の中軸として働かずに、思考を視覚的イメージで行っている場合がある。(Visual thinking)
・言葉はすべて、いったん視覚的イメージに翻訳しなおし、それにより言葉の理解が可能になる。(Visualizing)(Grandin, 1995)
・現在の出来事が引き金になって、しばしば遠い過去の出来事がフラッシュバック
し、現在の事がらと重なり合って体験されることがある。(time slip)(杉山、1994)
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22P:◆知覚過敏性
・音や触覚などの「知覚に対する過敏性」があり、それに著しい不快
反応を示す児童が、徐々にそれが生じた状況に対して同じようにパ
ニックを呈するようになる。(およそ40%の人に存在)
・これは状況が引き金となって「タイムスリップ」により不快体験がフ
ラッシュバックするためと考えられる。
・これは「心的外傷体験の侵入症状」によく似ており、処理される記憶
の部位が通常とは異なっている。(Liberzon, 1999)
・知覚過敏性に対抗するために、「解離」をあやつって適応している場合もあり、「他者から借りた人格の仮面」を使い分けて社会的な適応をする場合もある。(Williams, 1994)
・鈍感(Tough but Dull)と敏感(Vulnerable but attentive)の異なる意識状態(モード)を使い分けている場合もある。(ニキ)
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23P:◆知覚過敏性への配慮 ~より抜粋(※一部記述を省略)
・「特定の状況に結びついたカギ構造」を持つ知覚過敏性に対処するためには、その様な視点で「過敏性に対する情報」を集めることが唯一の解決法である。
・「過敏性の中に生きてきた者」にはそれがあたりまえであるので、過敏性の問題は
ほかの人から指摘されてはじめて本人にわかる。
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26P:◆自閉症と多動症が合併(2)
≪認知や記憶のコマギレ≫
・自閉は記憶を後で再生して考えることで、その場での理解の悪さを補っているのに、「不注意」や「せっかち」や「ぐうたら」があると、後で一人でおさらいする段階でツメが甘くなってしまう。
・因果関係が記憶に残るためには、ある程度の時間、注意が向き続けていなければいけないのに、興味が途中で途切れてしまい因果関係の観察データが集まらない。
・言葉で覚えたり、理屈で覚えた因果関係は頭に残っているが、実体験からはあまり入ってこない。
「教えて私の脳みそのかたち」ニキ・リンコ著より
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27P:◆なぜ会話が苦手なのか?
・「自分は全て一度に一つのことしかできないので、自分の語ったこと
すら自分に向かってもう一度言い直さなくては理解できない」(Williams, 1996)
・「その場でも自分に向かって言い直して、一歩遅れて理解はしているが、本当に理解できるのは、あとで一人になって落ちついてからである。」(ニキ・リンコ)
・「人と話をする時には会話に専念すれば自分の感覚や意思は見えなくなってしまう。」(会話のキャッチボールを維持するのに全力を使ってしまうため)(ニキ、2001)
・自分の感覚や意思が見えないと不便なもので、心にもない返事をしてしまう。(それを自分では気がつかない)
・相手の顔や目をみると、なおさら自分のことが分からなくなる。
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こちらのサイトもお薦めです。
大人にも応用が利くので、ご家族にも知っておいていただくと良いと思います。
【アスペルガー症候群とその家族についてのFAQ。】http://www2u.biglobe.ne.jp/~pengin-c/ASfamily.htm
ご家族にも周囲の方たちにも、あなたが出来ることとできないことを理解していただくには、自分の言葉だけではなく、こういった客観的な視点から書かれたものを知ってもらうことだと思います。
「こういうものがあるんだということを知ってもらうこと、それが理解への第一歩です」。
気が遠くなるほど続けて来たことだと思います。しかし、地道に一歩一歩、歩を進めてください。
やれるだけのことをやったのなら、徐々にプラスの変化が起こってくると思いますので。
お礼
遅くなりました。ご回答有り難うございます。