1 法律的観点での対応が必要です。
(1) お母さんの店について
・「借金がある上に赤字」事業としては危機的状態と推察します。抜本的改善策がなければ廃業を決断し、赤字の拡大を止めることが先決です。
・ 借金については、返せる額であれば貸主に「毎月の返済を返せる範囲(金額)に減らし、長期間で弁済する」ことを相談してください。
・ 金額が大きい場合、あるいは貸主が相談に応じない場合は、裁判所に自己破産を申し立てるのがよいと思います。同時に免責を申し立ててください。
・ 破産すると預金や不動産等の財産は失いますが、家財道具や衣服など生活の必要品を失うことはありません。
・ 免責を認められると「残った借金は払わなくてよい」とされ、借金から解放されます。
・ なお、弁護士に委任すると、直ちに取り立てが停止され、事実上借金から解放されます。弁護士費用が払えない場合は、裁判所に申し立て手続きの方法等を相談すると教えてくれます。
(2) 彼について
・ お母さんの保証人になっていなければ、返済の義務はありません。
・ 保証人になっている場合は、お母さんといっしょに自己破産し、免責をもらうことで二人とも借金から解放されます。
(3) まずは自治体や弁護士会の無料法律相談を受けてください。
2 大切なこと
(1) 財産や事業を失うのはとてもつらいことです。が、しょせんはお金の話。そのためにあなたを含めた3人の今と将来を犠牲にしてはいけません。
・ 幸い彼とあなたには仕事があるようですから、借金から解放され、つつましくても穏やかな生活を始めてください。
・ お母さんも同じ。当面は生活保護を受けるなり、仕事を探すなり。3人で生活費を工面し合えば、一生懸命の共有が、新しい幸せになります。
(2) 私は企業の法務担当であったところ、数年前、友人が事業に失敗。ギャンブルで一獲千金を狙うなど家庭崩壊の危機に陥りましたが、自己破産と免責で再出発させ、今は幸せに暮らしています。その際、高校生と中学生だった彼の子供たちに言ったこと。「今までは資産家の娘だったが、これからは普通のサラリーマンの子供になる。それだけのこと。それ以外は何も変わらないし困ることはないから、安心しなさい」同じことを彼とお母さんに言ってあげるといいです。「3人で、普通の勤め人の生活をしましょう」と。
(3) よろしければ、芥川龍之介の「杜子春」を読んでください。そして、その後の杜子春が田舎の小さな家で穏やかに暮らす風景を想像してください。そこに、人間の本当の幸せがあると思います。
(4) お二人が結婚して、お母さんと笑顔を交わしながら暮らす風景を想像し、幸せをお祈り申し上げます。
4 なお、追い詰められた人にとっては、破産手続き自体が大変な負担に感じます。でも、山登りと同じ。力を合わせて一歩一歩を進めれば必ず、雲を抜けた頂上にはまぶしい青空、あるいは満天の星空が待っています。
・ まずは、あなたが元気に大きな声で、「さあ、行きましょう!」リュックを背負って。
お礼
ありがとうございました。励ましのお言葉もありがたいです、お母さんはたぶん生活保護になるかもしれません、何とか働いて彼と頑張ります