落石災害防止の手段は、ケースによって異なります。
1.発生源が限定される場合
危険な岩塊について、ボルトやワイヤーで固定したり、小規模な場合には除去します。
2.限定できない場合、危険な岩塊が無数にある場合
擁壁や柵、ロックシェッドなどにより、待受け式の対策工を設置します。
3.どうにもならない危険な斜面
道路の場合、迂回路やトンネルを作ります。家屋の場合は、行政判断にもよりますが、土地利用規制が行われることもあります。
地震や豪雨に伴う場合のほか、木が風に揺さぶられたり、割れ目に侵入した木の根の成長、割れ目内の水分が凍結し膨張したりすることによっても落石は発生します。
落石の発生予知は、非常に難しいです。
大規模な岩盤崩落などの場合には、前兆現象として小落石が見られることがあります。国道などでは、毎日道路パトロールが実施されており、そうした前兆現象の有無についての点検が行われています。
特に保全対象が重要な場合には、岩盤の亀裂などに計器を設置して自動観測を行い、顕著な変状が現れた場合には、通行規制などを行うなどの管理を行っています。
『落石注意』なんていう看板をよく見かけますが、あれは言ってみれば、「落石は予知できません。危険な場所ですから、通行する時には自分で責任を持ってくださいよ」という、行政的な言い逃れです。
そういう場所では、注意した方が良いですね。