[蘇れ日本]の言葉に異論はありませんが、あの世界を圧巻した高度経済成長をもう一度という意味であれば無理でしょう。
あの時代は「日本人は勤勉だ、日本の官僚は世界一優秀だ」が盛んに叫ばれていました。
しかし後に冷静に分析すると少し違いますね。
何故なら「今の日本人は勤勉でないのか、官僚は優秀でなくなったのか」そんなことはありません。今も同じですね。
あの時代は、
戦後の廃墟、収入もわずか仕事も少ない中で、海の向こうのアメリカでは車や冷蔵庫そしてダンスパーティーといった豊かな生活。このアメリカに憧れた国民は少ない収入でも一所懸命に働きました。
今はそれらの状況がかなり違います。
車も冷蔵庫もある豊かな生活が当たり前の国民とその中で育つ子供達の意識などです。
あの世界のソニー、松下電器、日立などの製品が売れなくなったのは技術力が下がったのでも品質が悪くなったのでもありません。国民の生活レベルが上がり、それに見合って人件費が上がったからです。
今、中国や韓国そして東南アジアの国々の製品が圧倒的に売れているのは、人件費が低く、価格の安い製品が生み出されていることが主な理由です。
その他に人口構成もあります。年寄りと若者の比率がかなり違っています。
私は次のように考えています。
国民は今の経済状況に見合った生活をすればよい。高度経済成長の絶頂期にはビーフステーキを食べたが、今はサンマでよい。簡単にいえば昭和30年代の生活に戻ればよい。
しかし、ほとんどの国民は出来ないですね。いや出来ないのではなくそんな生活をしたくないのですね。
これが閉塞感に包まれた今の日本だと見ています。