たぶん質問者様には誤解があります。またほとんどの日本人が誤解しているところでもありますが、道路交通法や車両運送法でいう「車線」というのは、実は「道路に引かれた線の中」ではないのです。
いわゆる2車線とか3車線という言い方をして、中央線と路側線の間に引かれた白線(通常点線)の間を「車線」とするのが一般的ですが、法律の「車線」必ずしもこの意味ではないのです。
法律で要求している「車線」というのは、道路に沿って安全に進行できるライン、のことを言います。基本はキープレフトですから、その車線を走っている車やバイクが一列に並んで走っていれば同一の1車線上にいることになります。
しかし、たとえばキープレフトで走っている自動車と中央線の間に十分な空間があれば、たとえばバイクなら追い越しをかけることができます。中央線が黄色のはみ出し追い越し禁止車線であっても、中央線を跨がずに安全に追い越せるなら、法律上は追い越しは可能になります。
このときにバイクが行わなければならない安全確認や合図は次のとおりです。
1 右後方の安全確認
2 今の車線から追い越し車線(ただし中央線を超えない)に移るためのウインカー
3 安全に追い越しできる車線に移る
4 安全に追い越した後、後方を確認する
5 キープレフト(ができる車線)に戻るための合図のウインカー
5 キープレフト
つまりおなじ道路の車線内(路側帯と中央線の間の1車線:今後道路車枠と書きます)内にも、通行する車両によって何本もの車線が存在する、ということになるのです。
この車線の考え方によると、法令は以下のとおりになります。
・道路は混合通行なので、1道路枠内に自転車・バイク・自動車などが平行して3車線で走行することはありえる。ただし、その場合、はみ出し追い越し禁止区域であれば、中央線からはみ出すことはできない。
・バイクのように1道路枠内に何台も平行できる場合は、枠内からはみ出さない限り並行して侵攻することができる。ただし、キープレフトの原則があるのであまり好ましくないし、完全に平行している場合は追い越し中とされることもあり、その場合は違反になることもある。
・バイクが連なって走る場合は、千鳥足のように互い違いで平行せずに走ることが推奨されている(白バイが数台連なっている場合は必ずこういう風に走っています)
これが正しい法規です。
しかし、箱根駅伝などマラソンや駅伝の場合の白バイはまったく法規が違います。こういうイベントの場合は、道路使用許可を提出して、場所や時間などを限定して「道路使用(占有)」という状態にしています。そのため、一般的な車両や歩行者はこの時簡帯に原則として道路を使用することができません。逆に、イベントの主催者から許可された参加者(選手や報道車両など)は道路の中央を走ることができるのです。
この際の白バイは警察から派遣された道路占有のための保護警備に当たっている形になっており、道路自体が一般の交通を遮断してますので、平行して走ってもなんの問題もないのです。
それに、報道用のバイクでカメラマンが後部で後ろ向きになってランナーを撮影したりしているでしょう。あれは本来なら交通違反なのですが、道路占有された場所なのでOKなのです。
お礼
ありがとうございます。 どうも箱根駅伝などを例に出したのが皆様の誤解を招いたようです。いくらなんでもイベントで道路を占有しているさいは通常と違うのは理解しています。皆さんよく見るのでイメージしやすいかと出しました。あの状態で通常時に走行するということです。説明不十分で皆様の誤解を招きました。 それはさておき、 >道路交通法や車両運送法でいう「車線」というのは、実は「道路に引かれた線の中」ではない ということでのご説明、極めて解り易く理路整然としています。 回答者様は「1道路枠内に」とおっしゃっているので、1道路枠内に複数車線が取れる場合のみをおっしゃっているものと理解いたします。