Q、感覚的にもっと大騒ぎになっても良い気がするんですが?
A、良くも悪くも日本的。
・突出した発現を慎む。
・自己主張よりも周囲との協調を重視する。
・社会的な発言を行う者への根強い偏見の存在。
多分、これは明治維新で生まれた新政府の性格の影響でしょう。つまり、市民革命というより王政復古の色合いが強かった明治政府は、その性格から国民の権利を花開かせることよりも富国強兵策に黙って従うことを国民に強いてきました。この「従順でお上に歯向かわない国民の養成策」は、第二次の世界大戦に国民を総動員する策として最大限に活用されて今日に至っています。お上に逆らう者を問答無用で「非国民!」と断罪してきた一部の社会的風潮は、今でも継承されています。原発問題を報じるだけで「マズコミだ!」と攻撃するなどは、権力が育てた悪しき社会的風潮の残滓とも言えます。
明治維新で生まれた新政府の性格の影響は、別の側面から見れば<国民の利益と権利とを守る運動と組織>との健全な発達を阻害してきた感があります。国民の間にしっかりと根を下ろした社会的運動体の発達が未熟なのも日本的な特徴です。そのような日本的な問題点に付け込んで、首都での原発反対行動に「解放区闘争」などと言うトンデモナイ流れを持ち込む勢力もいます。当然に、良識ある市民は「ついて行けない」と眉を潜めて離反して行くでしょう。これもまた、日本的の一側面です。
話を汚染水に戻します。まず、汚染水問題は、福島第一原発固有の問題ではありません。全国の全ての原発が一基当たり100兆ベクレルという汚染水を何十年にも渡って放出してきました。理由は、現代の科学では汚染水を浄化できないからです。加えて、安全に貯えるには余りにも膨大なコストがからです。ですから、汚染水の海洋投棄は、原発が稼働する限り避けられないというのが今の現実です。同様の理由で、今後は、福島第一の汚染水処理も海洋投棄という最終解決案が浮上するでしょう。そうなれば、関東と東北の海は、致命的に汚染されるでしょう。その深刻さ、重大さを考えると、もっともっと大騒ぎになってしかるべきですね。
お礼
日本人は、しょうがないよと苦笑いして諦めるのが得意ですよね。
補足
おっしゃる通りですね。 ありがとうございました。