戦争は、常に相手がありますから、世界情勢のなかで日本はどうなのか、の視点を持っておく必要があると思います。
アメリカのバネッタ前国防長官は、中国を「平和で繁栄した21世紀のアジア太平洋を発展させる鍵」と位置づけ、米中関係は「世界で最も重要なものの一つ」であると言い、チャック・ヘーゲル現国防長官も、ハト派路線のようです。
ただ、中国がアジア諸国と緊密になるのは、アメリカにとっては望ましくなく、アジアにおけるアメリカの影響力を保持するためにも、日米安保条約は欠かせないと考えています。
日中の緊張を高めている尖閣問題については、オバマ大統領が習近平国家主席に、自制と対話による解決を求めたことは評価できると思います。中国政府は、尖閣諸島は「日本が盗み取った」とまで宣伝してきたから、国内で「弱腰」と批判が起きかねず、今のところ日中首脳会談は足踏みしているようです。
日米中の関係は、(日米安保条約も含め)軍拡による緊張を高めるよりも、外交と対話による友好関係を築くことが大切だと思います。アメリカは、東アジアよりは中東のほうが、軍事面での緊張を起こしやすく、「集団的自衛権」が行使されるとなると、日本は戦闘地域に派遣されやすくなると思います。オバマ大統領は対話路線ですが、前ブッシュ大統領のような共和党タカ派が大統領になると、軍事面の緊張が高まるかもしれません。
経済を根底に世界は流動していて、その上に、軍事面も含めた政治的力関係があるのが現実です。米中が互いに重要な関係と言っているのも、経済的な利害と緊張があるからです。
日本とアメリカと中国の微妙なバランス関係からみると‥
(1)アメリカの都合に操られつつ「集団的自衛権」を選ぶか。
(2)核武装や兵器の開発をして「自主防衛」の拡大で孤立化の道を歩むか。
(3)ASEANや周辺国と連携しつつ、横暴な大国主義の力を規制する「国際社会のルール化」を先導するか。
‥の三つから選ぶ岐路に、日本はあると思います。
憲法を改憲するかどうかは、どのような未来を日本が歩むかの「布石」ですね。少子高齢化社会の日本は、今でも、消費税を上げ社会保障制度は切り詰めようとしているのに、軍事費まで上がると滅びてしまいます。
目先ではなく、十年後、二十年後の世界を見越して。
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