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国政選挙について
たくさんの国政選挙があると思いますが、 社会学モデル、社会心理的モデル、社会心理学的モデル、 政策投票モデル、業績投票モデルのいずれがより有権者の投票行動説明してると思いますか? より、詳しく、深い考えが聞きたくて質問させてもらいました。 知識人のみなさん、よろしくお願いします。
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政策ではなく投票行動モデルによって選挙を解釈しようとするとき、 注意しなければならないのは選択を行う有権者の側が、時代によって変質し、 一様ではない、という点ではないでしょうか。 複数のモデルが存在が確認されている現在、ひとつのモデルが 優位性を持った解であるわけではなく、状況によってモデルの選択が発生しているのです。 たとえば日本においては、前々回の民主党が大勝し政権交代があった衆議院選挙は 心理学モデルの適用例であったでしょうし、反対に民主党が大敗した前回の選挙は間違いなく、 業績(評価)投票モデルの適用例であったでしょう。 とすると、モデルの選択はいかにして起きるのでしょうか? まず、そもそも投票行動モデルは政策の具体性ではない部分での投票決定要素となります。 多くは、政治上の情報処理負担の過多によって分析を進めるのです。 もし負担が一様で、処理の能力も一様であるのであれば、結果(すなわち投票モデル)も 一様となるでしょう。ところがご存知の通り、有権者全体にかかる負担も、有権者全体自身の 処理能力も一様ではないのです。 (個人で違う、ということではなく、状況により異なる、ということです。) では、どういったときに処理能力の変化が起きるか。社会のマクロ的な情動を研究した 社会心理学上の分析では、選択における心理的要因がいくつか提唱されています。 (誤解の無いように、投票モデル上の通称「心理学モデル」とは名称が似ているだけで まったく別の話です。) たとえば・・・ 怒りの感情は、有権者が自ら情報を得ようとする機会を減らした。 恐怖の感情は、有権者が自ら情報を得ようとする機会を増やした。 あるいは驚きの感情は、保守層の票を伸ばす、というのもあります。 これらの反応は政治的な怒り、恐怖といった話ではなく、社会的なイベントとして フットボールの試合で、弱小チームが優勝した、という話ですら、影響を及ぼしうるのです。 (これらの研究は21世紀初頭のアメリカの「政治心理学」という分野でよく行われているので、 興味があったら一読をお勧めします。) つまりはどのモデルがより正しい、というより 政治高度化の過程において、感情が選択の関数として存在するのであれば、 有権者側にかかる負担や感情を操作、あるいは観測をすれば、全く逆のアプローチとして 望むモデルに結論を収束させることができるのではないでしょうか。