失礼ですが、お父さんは、ご自分でこの件を深く考えることなしに、いわゆる「サヨク」の書いたものを丸々信じていらっしゃるんじゃないでしょうか。
まず徴兵制ですが、現代の先進国と呼ばれる国で徴兵制を敷いているところは多くありませんし、存置国でも廃止か停止の方向に向かっています。理由は、戦力と国力の低下です。
現代の兵器は非常に複雑化しており、操作には相当な熟練を要します。いわばプロを養成する必要があるわけですが、プロを養成するのには何年も必要です。徴兵制では、下手すりゃ操作を覚えた頃に除隊してしまいますよね。義務できているわけだから延長なんかする確率は低い。
また日本で言えば、毎年何百万人もの対象者に「検査」を受けさせなきゃなりません。もちろん、兵士として採用された者にはただ飯を喰わせ、幾分かは給料も払わなきゃならない。空白となった実社会でのキャリアについてもそれなりの保障は必要です。とんでもない予算が必要ですよね。
ということで、徴兵制を採用すると錬度が低下して軍事力は低下するし、多大な予算が必要で国力が疲弊するということです。たるんだ若者を鍛えなおすにはいいかもしれませんが、それにしてはデメリットが大きすぎる。そんなもん誰が採用しますかいな。まずは現場(自衛隊)の幹部と財務官僚が嫌がるでしょうし。
それから「戦争してぼろ儲け」ですが、いわゆる軍需産業が最も儲かるのは「戦争をしていない」ときなんですよ。一番儲かる開発や武器の新規調達が安定してできますからね。ところが、一旦戦争が始まってしまうと、そういうのは後回しにされて、当面必要な弾薬以外、予算の多くは食糧や燃料、医療関係にまわされてしまうのです。民需品の生産業者は儲かるんでしょうが、軍需産業は儲かりません。
もしかしたらお父さんは「軍産複合体」なんて言葉も使うかもしれません。政府が軍需産業に操られて戦争をおこし、ってやつです。ところが、例えばアメリカの場合で言えば、軍需産業と言われる会社のトップ10の売り上げ合計は石油メジャー一社の売り上げにも及びません。そんな程度の力で国の外交政策の一環である「戦争」をコントロールできるはずもないですよね。「軍産複合体が国を動かす」なんてのは昔はどうかわかりませんが、今では妄想であることがよくわかると思います。
最近のテレビ番組でも、MCやコメンテーターが必死で「徴兵制が」「軍需産業が」とやってますが、こういう事実を伝えること無しに、単に感情に訴えるやり方ってのは、国民を馬鹿にしていると思うんですが。誰かの話を信じるにしても、それが正しいかどうかはきちんと自分で見極めたいですね。
お礼
「96条改正して戦争出来る体制にして云々…」と父は言ってますが…。 ありがとうございました。