パク元大統領は確かに軍事クーデターで政権を奪取し、その後も国内を厳しい抑制下に起きました。しかしそれは中南米やアフリカに見られた利権のための権力者独裁ではなく「開発独裁」であり、当時の韓国のあの小政党や旧両班(戦前の支配層)によるどうしようもない内紛、足の引っ張り合いの政治に終止符を打つべく、政権の座に就いた人物です。既回答にもありますが、日本から1080億円もの援助を引き出してそれをすべて経済復興に注入し、その後の「漢江の奇跡」を実現させたのです。
彼自身は旧軍人らしく清廉かつ質素な生活を送り、贅沢を周囲にも禁じました。ある外国首脳を迎えた席で、側近がパク大統領のズボンのベルトが古ぼけて今にも擦り切れそうになっていたのを目撃した、という逸話もあります。
もちろん韓国国内では彼を悪く言う政治勢力はあります。言論や思想の自由を厳しく取り締まったことも事実ですが、それまでの政権とははっきり一線を画していたことも事実です。反共主義者ですが、常に韓国侵攻をもくろんでいた北朝鮮(金日成)やその後ろ盾であった中国(毛沢東)に国土を蹂躙されないため、まず経済優先政策を推し進めました。経済自立なくして国防なし、と考えたのです。
第二次大戦直後に軍法会議で死刑を宣告されましたが、一時韓国共産党党員であったためでした。いわば思想犯です。一般的に言う犯罪者、刑事被告人ではありませんでしたよ。
従って彼の娘であるパク・クネが大統領になることに、パク元大統領の過去の経歴や実績は彼女にとって何の障害にもなりませんでした。
岸信介についてはすでに回答が出ていますからこれ以上述べませんが、戦勝国の行った一方的な軍事裁判である東京裁判で戦犯になったからといって、岸自身の政治家生命が絶たれたわけでもなく、ましてその孫である安倍総理には何の関係もありませんし、あなたの仰る「こうも呼応」しているということでもありません。単なる時代的偶然に過ぎません。