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★国粋主義と愛国心について
愛国心は美徳であり、国粋主義は悪徳ですが、なぜですか？・・・ 人間にはなぜ、国粋主義に憧れようとする本能があるのですか？・・・・・・・・・・
- gusin
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愛国心とは自国を愛する心です。これは個人個人の信条によって中身が変わってきます。幕末の志士、吉田松陰は愛国心で幕府を批難し処刑されましたが、彼を死罪にした井伊直弼もまた愛国心によって国を危うくする過激分子を処刑しただけです。どちらも個人個人の信条で国家に尽くそうという気持ちですから悪く言われることはありません。 他方、国粋主義とは愛国心の表れの一つと言えなくもないですが、不純な動機が潜んでいます。国粋主義や民族主義は自分ら所属する国家や民族を他の国や民族よりも優れたものとするところから始まります。「選ばれし民族」「神州」といった概念です。物理的根拠のある話ではなく幻想です。 このような考えに傾く人たちは、もともと何らかの優越感を持たないと不安でしかたない人たちです。自身が抱える潜在的不安感、欠落感、不完全性などを補い自己満足や安息感を得るために、こういう人はいろいろなものを優越・劣等の対象にします。学歴のこともあれば、身長やルックス、健康状態、運動能力、収入・資産、家柄・・・何でもいいのです。所属国家や民族による差別や優越意識もこれらの一つです。 国粋主義者や民族主義者は優れた国家や民族に属しているということが、自己満足・安心感として大切なのですから、自分の国家や民族を優れたものと認識できるように他の集団やその構成員を蔑視し差別します。優越性について物理的根拠はもともと無いですし、人は自ら性別や所属国家や所属民族を選んで生まれることはできないのですから、このような差別はまったくいわれのないもので、悪徳とされるのです。 人間に国粋主義に憧れようとする本能があるとは思いませんが、国粋主義・民族主義にはまれば、イージーに自尊心を満足させることができます。なんせ何の努力をしなくとも自分を「選ばれし民族」の一員に「神州」の住人にできるのですから。
