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水力発電所の縦軸と横軸の違い
- 水力発電所の縦軸と横軸の違いとは?
- 水力発電所の縦軸タイプと横軸タイプの理由と特徴
- 水力発電所の選定ポイントとオススメの書籍について
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>上記規模の15ほどの発電所を見ている 少ない.....現に、クロスフロー、チューブラ、カプラン、両掛フランシスも引っかかってるのに見てない.... >中小水力(おおむね1000~10000kwを小水力と定義する) 補足。これは誤字じゃないです。1000~10000kwが小水力、10000~100000kwが中規模の意味です。 ※たとえば、利根川水系の10万kw超えは、揚水発電所のみ。揚水でない最大は、佐久発電所の76500kw。 大水力(10万kw超え)は、超レアです。 >水車選定の解説もお願いいたします。 小水力以上(約1000kw)の場合、水車の設計は、その地点に合わせて、その都度最適設計する ということが常識なので、このことを踏まえたうえで。 (それ以下:既製品の中から、最適なものを選ぶ。服で言えば、ミニ水力が「吊るし」で、 中小水力はオーダーorイージーオーダー。) たとえば、落差50m、最大使用水量3m3/sとすると、水車選定図から、横フランシスかクロスフローになります。 なお、水車選定図は目安なので、範囲から多少外れても比較対象になります。その結果が上記。 水車価格は、横フランシスとクロスフローではほぼ同じ。(これは、たまたまそうなるだけ。) 一方、発電量は、水車特性の影響を受けるため、同じになりません、 具体的には ・クスフロローは、水車の軸より下の落差はエネルギー回収できない(いや、やれないわけじゃないけど。) が、フランシスは放水位まできっちり回収できるので、クスフロローは、落差で約2m損をする。 ・フランシスは、最大流量の20%割れの流量では水車に一定速度回転が維持できなくなるので発電ストップ。 クロスフローは、水車の一部だけに水をかける、ということが可能なので、最大流量の10%で発電ストップ。 ・フランシスは、設計流量での効率は高いがそれを外れると効率が落ちる。 クロスローは、設計流量での効率はちょい低いが、それ以外でも効率はあまり落ちない。 (※念のため。設計流量のときで80%対75% 設計流量の半分のときで 60%対70% それくらいの感覚です。 ある意味、ガソリンとディーゼルの違いみたいなもの。) で、10年程度の流量(1日の間は流量変動が無いとみなしてよい。)を使って、年間発電電力量を比べ、 どちらが多く発電できるかで水車を決めます。 たとえば、横ペルトンと横フランシスの比較の場合ペルトンのほうがが水車が高額なので、費用対効果 (工事費(水路などを含む全工事費)と年間電力量の比率)が大きいほうを選びます。 で、フランシス水車の話。 まず、両掛けというのがあり、水車2台と発電機1台を直結したもの。 気筒休止エンジンと同じ思想で、流量が少ないとき時は水車は1台のみ使用とすることで 効率がアップします。その分、水車は高額です。 次に、軽負荷型があります。設計流量での効率を多少犠牲にして、かわりに、設計流量以外の 流量での効率を高くしたもの。こちらは、羽根のねじり具合が変わるだけなので、 水車の金額は同じ。(どのみち、地点にあわせ最適設計するので費用は増えない。) かつ、クロスフローまでの改善とはなりません。 フランシス水車の縦軸と横軸の話。 ここまでの水車特性では、横軸と縦軸の差は関係ありません。ゆえに、この段階で 水車の形式は決まります。 では、縦横で水車特性が全く同じか、というと、そうでもありません。(ものすごく微差。) 縦軸の場合、水車が下で発電機が上。横軸の場合、水車と発電機は同じ高さ。 ということは、放水位と羽根の位置関係は、 横軸:放水位より上。 縦軸:放水位の下。 ※こういう場合が多いということで、絶対ではない。 縦軸の場合は常に水面以下なので、キャビテーションが起こりにくいだけ設計が楽になり効率で有利。 (あまりにも微差だけど。まあ、直列4気筒エンジンとV型4気筒エンジンの差、みたいなもの。) そのかわり、メンテナンスのときはゲートを閉めてポンプで水をくみ出す必要がある という、微差ながら不利なことがあります。 >オススメの書籍 新エネルギー財団の、「中小水力発電ガイドブック」 (注:実務で設計計画を行うかた用の本です。) http://www.nef.or.jp/info/syoseki.html
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- masa2211
- ベストアンサー率43% (178/411)
水車形式の違い(ペルトン、フランシス、カプラン....)でなく、縦軸か横軸か? だけの解説で いいわけですか? 流量、落差で、水車形式が決まり(複数選択可能な場合が多い)、水車形式が(たとえば)フランシスのときは 出力が大きい(=水車発電機自体が大きい)ときが縦軸で小さいときが横軸です。 http://www.pref.niigata.lg.jp/HTML_Article/282/948/houkokusyo,0.pdf 上記の図では、ペルトンの縦横が省略されていますが、ペルトンにもあてはまります。 理由。 分解点検するとき、水車発電機の重量が重いと、自身の重量で変形するため、横軸では正確な芯出し が面倒。かつ、ベアリングに余計な荷重がかかるが縦軸の場合はそうではない。 小型の場合、上記の面倒が無いので建物の高さが低くなる横軸が有利。 なお、昔からの定義の中小水力(おおむね1000~10000kwを小水力と定義する)の場合にあてはまり、 マイクロ水力には当てはまりません。 ゆえに、日本全体で、大水力(=縦軸領域)のものは少数なので、日本の水車の大部分は横軸です。 (マイクロ水力、ミニ水力を数にカウントしない場合。) >水車と発電機が横に並ぶ「横軸」の発電所より狭い面積に建設ができる まあそうなのですが、分解点検のときは、水車と発電機をバラして、かつ、縦軸の場合でも横置きするから 床面積の空きスペースはどちらも同じくらい必要です。ゆえに、全体床面積は、縦軸のほうがちょっと狭い 程度です。
補足
詳しい分かりやすい説明をありがとうございます。 流量と落差で水車を選定し、それから縦軸なのか横軸なのかと、なるのでしょうか。 私が知りたい発電所の規模は正に中小水力(おおむね1000~10000kwを小水力と定義する)で、使用水量が1~20立方メートル/s、有効落差が20~250mの範囲の規模です。 上記規模の15ほどの発電所を見ているのですが、縦軸フランシス、横軸フランシス、横軸ペルトンが混在していました。 よろしければ水車選定の解説もお願いいたします。
- foobar
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低速の水車につながる発電機は縦軸に、高速の水車につながる発電機が横軸になっているかと思います。 低速の水車としては反動型のフランシス水車、高速の水車としては衝動型のペルトン水車が有名かなと思います。
お礼
水車と発電機の回転数を確認して、縦軸か横軸かを確認してみます。 ありがとうございました。
- ariseru
- ベストアンサー率56% (928/1657)
>水力発電所の縦軸、横軸、それぞれの特徴とその選定ポイントなどを教えて頂けないでしょうか。 縦軸:ダムの落差が無い場合でも発電可能、日本の水力発電の7割くらいはこちら 横軸:ダムの落差が十分な場合じゃないと発電ができないためあまり採用されていない 両者の違いは上記の通り。 そのため、選定のポイントはダムの落差や水量になります。 あとは、なるべく多く採用されている方式を使うことでメンテナンスコストを削減するって目的もあるかも。 同じ型の部品が使えるのなら調達コストが変わってくると思いますしね。 >発電所建屋の高さも必要で建設コストもかかるのではないかと思います。 水力発電所には原発のような建屋というのはありません。 発電機はダムの中に入っていますので、ダム本体=建屋なので、多少内部の部屋の天井が高くなったところで建設コストはあまり変わりません。 >水力発電所の仕組みや歴史などを勉強できるオススメの書籍などを教えて頂けると幸いです。 簡単な仕組みについては各電力会社のHP上で公開されています。 書籍に関しては、私が読んだことがあるのは10年くらい前の古い本ですし、最近の情報に関しては先輩に教えて貰ったので分かりません。
お礼
落差と水量が決め手のようですね。 私が見ている水力発電所はダム直下型ではなく、導水路と水圧鉄管で導水されるタイプの発電所なので全て建屋が存在します。 建屋の規模も構造も立地も様々で、その建築様式も非常に興味深いものでした。 ダム本体に組み込まれている発電所も今後は見ていきたいと思います。 ありがとうございました。
お礼
>>上記規模の15ほどの発電所を見ている >少ない.....現に、クロスフロー、チューブラ、カプラン、両掛フランシスも引っかかってるのに見てない.... 申し訳ございません。説明不足でした。実は私が対象としている水力発電所は、明治、大正、昭和初期に設計・建設されたものに限定していたもので、非常に偏ったものしか見ておりませんでした。 幅広く知識を持っていなければ、見えるものも見えないものだと改めて感じた次第です。 また、リンク先の書籍・資料は非常に役立ちそうです。幾つかPDFも目を通しましたが興味深く読むことができました。 ありがとうございました。