竹島は、そもそも1905年までは、どこの国のものでもありませんでした。
それ以前は、耕作のできない島でしたので、無価値で、日本と韓国(朝鮮)の猟師たちが、天候の回復を待つ島程度の使い方しかできませんでした。
そのため、日韓両国とも、領土主張をしていませんでした。
しかし、近代になり、治安上誰の管理化にもない土地というものが許されなくなります。
海賊や密輸の基地になったり、敵軍の集結地になったり、海洋資源を巡るトラブルなどに対処するためです。
そこで日本は、1905年に、竹島を日本領に併合します。
しかし1904年に、日本は、韓国に対して日韓議定書を締結し、韓国の外交自主権を奪っての日本併合であり、竹島併合の翌年の1906年には、韓国を日本の植民地として組み込みます。
さらに1910年には、日韓併合を行ったため、韓国人としては、竹島の日本併合が、日本による韓国の併合の第一歩という認識を生んでしまいます。
これが、韓国人が竹島にこだわる根本的な原因となります。
「日本による竹島の併合は、韓国の外交自主権を奪っての上での併合であり、日本の竹島併合は無効であり、竹島が日本に併合されたことで、韓国は国を失う事になった」
と言う主張です。
日本の敗戦により、日本は、GHQの管理下に入り、日本人が活動できる範囲が規定されます。(マッカーサーライン)
竹島は、マッカーサーラインの外側に設定されたため、竹島を利用できるのは韓国人だけとなり、日本人は利用できなくなりました。
そのことに日本側が抗議しますと、アメリカは、「サンフランシスコ条約が発効(調印ではない)されれば、日本人が竹島周辺で行動できる、アメリカは、竹島が日本領だと認識している」という回答を行います。
それに対して韓国側が抗議しますが、アメリカ側が抗議を受け入れませんでした。
そのため、韓国側は、マッカーサーラインの位置に、李承晩ラインを設置し、韓国の実効支配を行います。
その時はまだマッカーソーラインが生きていたため、日本は韓国の行為に対処できませんでした。
日韓議定書で韓国を縛り、日本が竹島を併合したのと、全く逆の事がここで起きました。
アメリカは、韓国の李承晩ラインの設定を知りながら、サンフランシスコ条約を発効させます。
アメリカが、口では竹島が日本領だといいながら、韓国による竹島の実効支配を容認した結果、今日の竹島問題が生まれたのです。
>韓国側はどうしてこの問題を国際的な裁判にかけることを拒否するのですか?
これは、尖閣諸島と入れ替えて考えてみれば分かります。
尖閣諸島は、日中の領土問題の係争地ですが、日本側の立場は、「日中間に領土問題は存在しない。尖閣諸島は、日本固有の領土である」としています。
もしそこで、中国側が国際司法裁判所に提訴し、それに日本側が応じたらどうなるでしょうか?
国際司法裁判所で領有権を争うということは、「日中間に領土問題が存在する」ということになってしまいます。
「領土問題は存在しない。尖閣諸島は、日本固有の領土」という日本側の主張は、全て嘘であったことの証明になってしまいます。
領土問題が無ければ国際司法裁判所での調停はありえませんし、日本固有の領土であれば、中国側が口出しする権利もありません。
しかし、領土問題が存在する事を日本側が認めれば、当然日本側は、中国が領有権を主張できる根拠が中国側にもある事を日本側が認める事となります。
中国側がね領有権を主張する根拠があるため、領土問題が生ずるのですから。
つまり、国際司法裁判所への提訴に応ずる事は、尖閣諸島が日中の領土係争地と日本側が認める事で、日本側が「領土問題は存在しない、日本固有の領土」と主張してきた事は、全て嘘であった事になってしまいます。
しかも国際司法裁判所は、調停の場で裁定の場所ではありません。
そのため国際司法裁判所の調停に従う義務はありません。
ですから、尖閣諸島問題で中国側が破れても、中国側は、領有権の主張を下ろす必要が無く、日本側だけが、「領土問題は存在しない、日本固有の領土」という主張ができなくなるだけのことです。
竹島の場合、尖閣諸島の場合の中国と日本を入れ替えてみれば、理解できるでしょう。