• ベストアンサー

セーフティネット保証制度の開始時期について

インターネットで調べてみたのですが、制度の概要や利用方法などの情報はあるのですが、開始時期およびきっかけになった背景等が見つかりませんでした。 どなたかご教授下さい。

質問者が選んだベストアンサー

  • ベストアンサー
  • aokisika
  • ベストアンサー率57% (1042/1811)
回答No.1

中小企業白書平成12年版にこんな記載があります。 政府は,貸し渋り対策や金融システムの安定化を目的として,平成10年8月に「中小企業等貸し渋り対策大綱」を閣議決定し,中小企業金融安定化特別保証制度(以下,特別信用保証制度という)を創設するとともに,政府系金融機関による融資制度を拡充した。 http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H12/02-01-03-00.html#CLAUSE3  都市銀行は,不良債権の処理と並行して自己資本比率等の経営指標を国際統一基準に揃える必要性があり,中小企業は,1)金融機関にとって信用情報が得られにくい,2)貸出額が小さいなどのために,結果として,影響を受けた中小企業が多く存在したと考えられる http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H12/02-01-01-02.html 銀行が国際的な為替などの業務を行うためには8%以上の自己資本比率がなければならないことが国際的に決められています。自己資本がこれより少なくなると、国際的な業務ができなくなります。 たとえば、A銀行の自己資本比率が8%より少なくなると、日産自動車が米国の自動車ディーラーに自動車を1億円分売った代金をA銀行にある日産自動車の口座に振り込んでもらう、ということができなくなります。ですから、日産自動車は自己資本比率が8%以上あるB銀行の口座に代金を振り込んでもらうことになります。日産が海外の会社から部品を購入した代金5千万円を支払うときも、A銀行から海外の銀行へは送金ができなくなります。ですからこれもB銀行から送金しなければなりません。 となると、日産にとってA銀行に口座を設けて預金をしておく意味がなくなります。ですから、日産はA銀行の口座の預金を全部B銀行に送金し、A銀行を解約してしまうでしょう。そして、他の企業もA銀行を使って海外と取引をしていたすべての会社がA銀行の口座を解約し、預金をすべて他の銀行に送金してしまいます。すると、A銀行は莫大な額の預金(数百億円?)を失い、それを他の銀行に送金しなければならなくなります。そんなことになるとA銀行は倒産してしまいます。 ですから、A銀行は倒産しないためには自己資本比率を何が何でも8%以上に保っておかなければなりません。 自己資本比率=自己資本÷総資本 =自己資本÷(貸出残高+店舗などの固定資産+その他の資産) です。バブル崩壊後の不況で多くの企業が倒産しました。すると、倒産した企業に貸し出していたお金は消えてなくなってしまいます。つまり、銀行は損をしたわけです。損をしたということは利益が減ったということです。そして利益の蓄積は自己資本に含まれています。ですから、利益が減ったということは自己資本が減ったということであり、自己資本比率が減ったということなのです。ですから、不況による倒産の影響で銀行は自己資本比率が減ったのです。 さて、自己資本比率が減り、これが8%を切ってしまうと銀行は上記のような大きなダメージを受け、かなりの確率で倒産してしまいますから、自己資本比率を大きくしなりません。自己資本比率を大きくする方法は2つあります。上の式の分子を大きくするか、分母を小さくするかのどちらかです。 分子を大きくするためには、利益を増やすか、投資家に出資してもらって資本金を増やすかしなければなりません。しかし不況ですから利益はなかなか増えませんし、投資家もお金を出しません。ですから、分子を大きくすることはできません。 では分母を小さくするにはどうしたらよいでしょう?簡単です。貸出残高を小さくすればよいのです。つまり、これ以上貸さないようにし、さらに業績があまりよくない企業から貸したお金を回収するのです。つまり、「貸し渋り」と「貸し剥がし」です。銀行は、これによって自己資本比率を大きくして、自行の倒産の危機から逃れようとしているのです。 こうして、中小企業は銀行からお金を借りることが困難になり、 資金繰りが悪化して倒産する ↓ 仕入先に支払いができない ↓ 仕入先企業はお金が無くなり倒産する ↓ 仕入先企業は、そのまた仕入先に支払いができなくなる ↓ そのまた仕入先もお金が無くなり倒産する ↓ さらにそのまた仕入先に支払いができない ↓ ・・・ という連鎖倒産が生じてしまいます。 これを防ぐために政府が行なったのが 平成10年8月の「中小企業等貸し渋り対策大綱」の閣議決定と、中小企業金融安定化特別保証制度の創設なのです。

関連するQ&A