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CDSから見る日本国破綻について
現在日本国債10年物のCDSは150前後で取引されているようですが これは10年以内の日本国債のデフォルト確率が1.5%と市場が考えているということでしょうか? この理解は正しいでしょうか? CDSの仕組みはいまいちよく分かっていないのですが 他国と比べても全然低いと思うのですが、これで日本は本当にギリシャのように破綻するのだろうか?と。 破綻論者が言うように本当に日本がギリシャのように破綻するなら、CDSだってギリシャのように高値で取引されているはずではないでしょうか?
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No.1です。多少補足させていただきます。 そもそもCDSという商品は、一種の破綻保険みたいなもので、保有する債券が危ないと 思うからこそ、保険をかけるために買うものなんですよ。(まあ、賭博に利用する奴ら もいますがね。。) 逆に言えば、No.1で指摘した英・米・日の国債のCDSの取引量が少ないということは、 市場参加者が3カ国の国債に保険をかける必要性を見出していないということであり、 つまりは相対的に破綻するリスクを低く見積もられているということになりますね。 なぜこの三ヶ国のCDS取引量が少ない≒破綻する可能性が低いか?についてですが… >それとイギリス・日本・アメリカのCDS取引量が少ないのは それぞれの国債が自国通貨建てだからなのかなぁ?とちょっと思いました。 このご指摘はまさしくそのとおりだと思います。まあ、実際財務省も「日・米など 先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。」って断言してますからね。 ●外国格付け会社宛意見書要旨 http://www.mof.go.jp/about_mof/other/other/rating/p140430.htm あともう一つ挙げるなら、その市場が持つ流動性の違いですかね。日本やアメリカ など先進国の国債は市場が開かれているため、危機を察したらすぐ売り払うことが できます。しかし、新興国の中には資本規制がかけられたりして、国債をすぐに売り 払うことができない国もあるのです。そういう国に関してはCDSを買ってリスクヘッジ をせざるを得ないのでしょう。 次に各々の国の事情を鑑みるならば、日本については国内保有率が異常に高く、国内 保有者からすればCDSを買う意味がないのでしょう。そりゃあ、日本が破綻すれば、 自分の生活基盤・経営基盤も潰れるわけで、一種の一蓮托生の関係にあります。 日本が潰れるなら自分たちも死ぬわけで、お金をうけとっても意味がないと。 次にアメリカは、リーマン・ショックが起こる以前は、歴史的に世界で最も安全な 債券と見なされていたため、破綻するリスクを織り込まれていなかったということが No.1で紹介した日銀レビューで指摘されています。 ただ、最後のイギリスがよくわからないんですよね…。ロンドンは世界でも有数の 金融市場であり、CDSを含む金融派生商品の取引もさかんで、英国債のCDSももっと売 られてもいいはず…。 素人の私ではこの件はよくわからないので、お茶をにごしておきますが、イギリスの 国債が安全とされる理由の一つとして、「他の国より圧倒的に平均償還年数が長い」 ことが挙げられます。 http://www.newsweekjapan.jp/stories/business/2010/11/post-1790.php?page=2 >英国債の償還期間は平均13年で、ドイツやアメリカの倍以上。 たしか日本でも平均償還年数は7年弱ですので、単純に2倍近いです。すぐに国債を 償還する必要がないということで、その分安全と見なされていると。。。 イギリスの歴史的なものなんですかね?(WWII以前は基軸通貨だったわけですし)
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- umaruko
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>現在日本国債10年物のCDSは150前後で取引されているようですが >これは10年以内の日本国債のデフォルト確率が1.5%と市場が考えているということでしょうか? そういうことです。説明としては以下のURLの●CDSの数字の意味を再確認する が説明になりますかね ●破たんリスク30%超えも!? 日本企業のCDS値をチェックし直してみる http://www.garbagenews.net/archives/393354.html 今回の話題である日本国債のCDSの話ですが、高い安いの話以前に市場取引量が少なく、危機の指標として充分に機能していないのですよ。 これを裏付けるのが日銀のレビューのこれ http://www.boj.or.jp/research/wps_rev/rev_2010/rev10j04.htm/ 該当する記述をあげるなら (引用) >これによると、公的債務残高では全体の2/3 近 くを占める日米英が、ソブリンCDS 残高では数 パーセントのシェアしか持たないことがわかる。 日米英については、国債を保有している投資家が、 そのデフォルト・リスクに備えてプロテクション 購入の動きを強めるといった事態は、これまでの ところ、大規模には生じていないとみることがで きる。 >このうち、日本については、国債保有において 国内投資家が著しく高いシェアを持っている一 方、ソブリンCDS はもっぱら海外投資家が取引 を行っていることが指摘されている。このことは、 ソブリンCDS は、主な国債保有者に殆ど利用さ れていないことを意味する。 というところかな?簡単にいえばイギリス・アメリカ・日本についてはCDSの取引量が 少なく危機の指標としては不適切だよということです。 ちなみに日本のCDSは上昇しつつあるじゃないかという反論があるかもしれないけど、 この話のあとに国債金利との連動性が少ないため、CDSと財政リスクが連動している とは考えにくいと指摘もしています。(つまり今のCDSの上昇はその国そのもののリスク というより、市場的な要因として生じたものということ)
お礼
わざわざ詳しくありがとうございました。 少し分かってきました。 それとイギリス・日本・アメリカのCDS取引量が少ないのは それぞれの国債が自国通貨建てだからなのかなぁ?とちょっと思いました。 自国通貨建ての国債は決してデフォルトしないとはよく聞く話ですが、関係はありますかね? 日本政府はいざとなったら日本円を刷って返済するわけですから。
お礼
ご回答ありがとうございました。 とても勉強になります。 昔からいろいろなメディアで日本は近い将来破綻する!!と言い続けてきた結果、 真剣にそれを信じている国民がなんと多いことかと思ったことが、今回の質問の動機です。 でも市場は破綻しないと言ってるじゃないかと思ったわけです。 もし日本国債が本当にデフォルトするならCDSを買うだけで大金持ちになれるのでは? とても低い保険料で全額を補償してもらえるんですから・・・と思いました。 ありがとうございました。