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「君が代斉唱の職務命令」を直接行政訴訟で争える?

市立学校に勤めているA教師が、君が代斉唱を回避するため、卒業式で校長から下命される「君が代斉唱の職務命令」を行政処分として、直接、職務命令の取消しを求める職務命令取消訴訟は提起できるでしょうか。「職務命令」は行政処分といえるでしょうか。

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  • minpo85
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回答No.3

 NO.2です。追加質問に関して。  質問者さんがどういったものを想定して「転職」を挙げているのか分りません(転職ってことは教員を退職しろということでしょうか?)ので、転勤(転任)についてお答えします。  Aは地方公務員であり、地方公務員法上、転任は任用の一つの方法です(地方公務員法17条1項)。転任によって、個別具体的な状況によっては法的不利益を伴う場合がありますから、そのような保護に値する法的利益が認められる場合には処分性を肯定してよいという考えや、転任を全体として一つの行政処分と見るのが素直であるという考え方も学説上主張されています。判例も、処分性を必ずしも否定していないように思われます。  つまり、転任の処分性については、肯定する考えはありえ、むしろ有力といえそうです。もちろん、否定する考えもないわけではないでしょう。ともあれ、難しい論点です。

manoppai
質問者

お礼

なるほど。転任は法律によって地位がかわることが明文化されていますね。君が代を歌う職務命令は法律にはかかれていませんね、一般の監督上の指示にすぎないてのであって。。ということですね。ありがとうございます。とても理解できました。

その他の回答 (2)

  • minpo85
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回答No.2

職務命令が抗告訴訟における処分に該当するかについて、以下判例実務の立場を前提に説明したいと思う。  行政事件訴訟法における処分性については、判例がある。最高裁昭和39年10月29日判決(ごみ焼場設置条例無効確認等請求事件)から引用すると、「行政庁の処分とは、・・・公権力の主体たる国または公共団体が行う行為のうち、その行為によつて、直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定することが法律上認められているものをいうものである」とされている。  判例上は、これが処分性の定義と理解しておいてよいと思う。  さて、君が代斉唱の職務命令が上記性質を有する「処分」といえるか。  これについても、最近いくつも出ている判例から引用してみると、最高裁平成24年2月9日判決は、国旗に向かって国歌斉唱すること、音楽専科の教諭に対して君が代のピアノ伴奏をすること等を内容とする本件職務命令について、「本件職務命令も,教科とともに教育課程を構成する特別活動である都立学校の儀式的行事における教育公務員としての職務の遂行の在り方に関する校長の上司としての職務上の指示を内容とするものであって,教職員個人の身分や勤務条件に係る権利義務に直接影響を及ぼすものではないから,抗告訴訟の対象となる行政処分には当たらないと解される」とした。  すなわち、上述の処分性の定義のうち、「直接国民の権利義務を形成しまたはその範囲を確定」するものではなく、職務上の地位に基づく職務上の指示にすぎない。よって、処分とはいえないと解した。  ただし、判例上、処分性の定義に厳格に当てはめると、「処分」に該当する範囲が狭められ、国民の権利救済の面で不都合が生じたことから、学説・判例共に、処分性を拡張する試みが取られていた。それについては書き出すときりがないので、教科書の該当部分を読むか別に質問を立ててもらうとしてここでは省略する。(なお、法改正により当事者訴訟が法定されたことで、処分性の拡張の必要性は従前に比べ減少している)  この判例でも、国民の権利救済として、本件職務命令に処分性を認めないことに不都合はないかという観点から、以下の検討をしている。 「なお,本件職務命令の違反を理由に懲戒処分を受ける教職員としては,懲戒処分の取消訴訟等において本件通達を踏まえた本件職務命令の適法性を争い得るほか,後述のように本件に係る事情の下では事前救済の争訟方法においてもこれを争い得るのであり,本件通達及び本件職務命令の行政処分性の有無について上記のように解することについて争訟方法の観点から権利利益の救済の実効性に欠けるところがあるとはいえない」  よって、以上から、現在の判例・実務の大勢からすると、職務命令を直接対象として処分取消訴訟を提起することはできないとなる。

manoppai
質問者

お礼

ありがとうございます。参考になりました。やはり無理そうですか。 ところで、もうひとつ質問させていただいてよろしいでしょうか 紹介されている判例は、君が代事件中心だと思います。しかし、転勤や転職などの職務命令も、同様に考えてよろしいでしょうか。 普通に考えれば、職務命令とは、直接国民の権利義務を変更させるものだと私は思っています。命令が出されればその公務員は従わなければなりません。それが官僚機構でしょう。

回答No.1

行政訴訟法は無知なので、参考にならないだろうが、私見として回答したい >市立学校に勤めているA教師が、君が代斉唱を回避するため、卒業式で校長から下命される「君が代斉唱の職務命令」を行政処分として、直接、職務命令の取消しを求める職務命令取消訴訟は提起できるでしょうか。 行政訴訟法の『抗告訴訟』に該当しえる、とは思うのだが・・・ >「職務命令」は行政処分といえるでしょうか。 「行政処分」という概念を精査するだけの知識がないのだが、行政救済法(全般)を見るに、『行政処分』なる概念が精査・定義されているとは思えない(知らないだけかもしれん)ので、行政処分の認否が問題になるとは思えない 不服審査法などを見ても、判然としない概念だと思われ 以上 無知ゆえの妄言と蔑視されたし

manoppai
質問者

お礼

いえ、職務命令を行政処分と考えるのは、感覚としては当然だと思います。