↓こちらの質問で質問をなさっていた方ですね。
://okwave.jp/qa/q7427728.html
実は私、その質問への回答として、企業にとって大切なのは従業員のことを大切にすることなのだ、と回答しようと思っていました。
回答しようかどうか迷っていたのですが、この質問を拝見したので、では改めて、と思いまして。
回答の趣旨からは外れるかと思うのですが、このような回答でご容赦ください。
朝日新聞出版から発行されている新書で、「百年続く企業の条件。老舗は変化を恐れない」という本があります。
帝国データバンクの著書なのですが、例えば「赤福」という会社をご存知でしょうか。
餅をあんこで包んだ、あの美味しい赤福です。ところがこの会社、何年か前に食中毒事件を起こしまして、長い間経営の危機にさらされていたのです。しかしこの企業、どんなに経営状態が厳しくなろうが、絶対に行わなかったこと。それが「従業員を解雇する」ということ。
どんなに厳しい経営状況になろうが、最後まで従業員を守ったのです。
それはなぜか。企業経営の中で最もお金がかかるのは人件費です。そしてその人件費の中で最もお金がかかるのは人を育てるということ。ものすごく莫大な時間も必要とします。技術的な問題もそうでしょうし、接客のレベルもそうです。
例えばその企業が倒産の危機にさらされ、止むを得ず従業員を解雇せざるを得ないような状況にさらされたとしても、その従業員の転職先の面倒を最後まで見、退職後もきちんと気にかけることができるような経営者であったとしたらどうでしょう。
やがて経営状態が回復し、その人の力が必要になったとき、きっとその人は喜んで戻ってきてくれるでしょう。
改めて質問文に戻ると、よく言われているのは、「お客様よりも先に、まずは従業員を大切にしなさい」と言われているだけであって、決して従業員が一番、顧客が二番、などということではないのではありませんか。
お客様に直接触れるのは従業員であって、企業経営者ではないと思います。(もちろん経営者が直接顧客と関わる場面もあるでしょうが)
経営者が従業員に対して、「何があっても我が社はあなたを切らない」と約束し、「間違いがあった時は必ず私が責任をとる」と約束してくれる企業で働く従業員は、自ずと顧客サービスも良くなるはずです。
倒産する企業も当然あるでしょうですが、企業に対する信頼とは、結局そういう面から生まれるのではないでしょうか。
私は年功序列と終身雇用というシステムこそ、いまこの国に必要よされているシステムだと思いますけどね。