前提として,「調停」といっても,「民事調停」と「家事調停」では,それぞれの根拠条文等が違いますので,次のとおり分けて説明します。
【民事調停の場合】
1、相手方が申し立て人の場合、申し立てた内容書類(正式な名称はわかりませんが…)は、閲覧可能ですか?
>閲覧謄写申請は可能ですので,閲覧謄写申請の範囲の全部又は一部について閲覧可能です。ただし,後述の【家事調停】の拒否判断に比して,民事調停は緩やか(要するに原則全部謄写許可の傾向が強い。)
2、現在進行中の調停調書の内容も、確認(本当に、言った事が書かれているか)したいのですが可能でしょうか?
>「調停」は話し合いによる解決をする手続きです。この場合,言った言わないは問題になりませんので,当事者は気兼ねなく,自由になんでも発言することが許されます。
そもそも,質問者様が言った全ての内容を記録化するのは,テレビなどで見たこともあるかと思いますが,「証人尋問」「原告ないし被告本人尋問」の手続きを除き(この場合も,録音反訳という方法によらず,場合によっては,その要領だけ記載した要領調書が作成される場合もあります。),「裁判」でも「調停」でも無理ですので,重要な内容は,全て「書面」にして提出されるべきです。
これについて,「裁判」であれば,要するにプロの「裁判官」・「書記官」が直接関与するので,仮に「書面」に書いて提出しなくても「重要」な発言は,全て「調書」に記載されます。
これに対し,「調停」は,他の質問スレ等でも散々言われているとおり「素人」の「調停委員」が聞いた内容に基づき作成されるので,「調書」は作成されません。「経過表」というものは作成されるかも知れませんが,「調書」のような「公証力」は認められません。
相手の方が発言した内容も同様です。調停手続き中に相手の方が発言した内容は,調書には残らないので,要するに言った言わないを争うおつもりであれば,その調停は不成立にして,訴訟をなさるべきかと思います。
訴訟であれば,上記のとおり「調書」が作成されるので,後日,相手の方が,これを安易に覆したりすることは許されません。
【家事調停の場合】
1、相手方が申し立て人の場合、申し立てた内容書類(正式な名称はわかりませんが…)は、閲覧可能ですか?
>閲覧謄写申請は可能ですので,閲覧謄写申請の範囲の全部又は一部について閲覧可能です。
ただし,来年早々に施行される予定の「家事事件手続法」が実際に施行されるか,もしくは,その前の段階でも試行的に同法の運用を開始している裁判所もあるので,実際上の運用は,現在の「家事審判法」によるものとは別ものになっている可能性もあるので,この運用が開始されれば,閲覧謄写の許否判断がかなり緩やか(要するに全部認める方向)になります。
2、現在進行中の調停調書の内容も、確認(本当に、言った事が書かれているか)したいのですが可能でしょうか?
>民事調停と同じく,調書は通常作成されないと思います。経過表はありますが,それを裁判の証拠として提出しても認められる可能性は少ないと思います。
お礼
なるほど…。良くわかりました、大変貴重なアドバイスありがとうございました。 早速、閲覧謄写申請したいと思います。