ミステリーの賞といっても、受賞作にある程度の傾向があるので、それを加味して考えたほうが良いと思います。
賞によって、微妙に規定枚数なども違います。
以下は、私が読んで感じる各賞の傾向です。
・江戸川乱歩賞
00年代半ばくらいまでは、ある業界の中にいる主人公が、その業界の抱えている問題などを示しながら事件の真相を追う、というものばかりでした。ただ、ここ数年は、選考委員が変わったこともあるのか、傾向が変わりつつあります。
昨年の乱歩賞も、呪いを題材にしたものと、皇居の盆栽を盗むというものの2作でしたし。
・横溝正史ミステリ大賞
基本的に、何でもあり、と言う感じです。SF色の強い作品、社会派ミステリ、コンゲームなど、色々なタイプの作品が受賞していますので、これと言った傾向はないと言ってよいと思います。
・このミステリーがすごい!大賞
こちらも、横溝賞と同じく、様々なタイプが受賞しています。
ただ、こちらの場合、選考委員が評論家なので、他の賞と違って、「話題になるか」みたいな部分も評価に加味されています。その顕著な例としては、05年の『殺人ピエロの孤島同窓会』。この作品は、話の完成度は決して高くないのですが、著者が12歳だった、ということで話題になる、と踏んで刊行になりました。
こういうものがあります。
・鮎川哲也賞
「本格ミステリ」を標榜している賞なので、トリックなどにこだわった作品ばかりです。
ただ、それ以外のところで、SF的な要素があるとか、社会派ミステリ的な要素というのがあるのはしばしばあります。また、殺人の起こらない「日常の謎」ミステリの受賞も多いです。
・日本ミステリー文学大賞新人賞
こちらは、全体を通すと、トリックなどを主にした作品よりも、ハードボイルド作品とか、謀略小説のようなものが受賞している印象です。
・メフィスト賞
ミステリ限定の賞ではないのですが、ミステリ作品の受賞が多いので。
受賞作の傾向を絞ることは出来ないのですが、逆に言えば、とんでもない荒唐無稽な結末とか、そういうのでも受賞の可能性があります。
規定枚数も最低枚数があるだけですので、大長編になった、というときも出してよいと思います。
あと、厳密にミステリの賞とはいえませんが、その要素があるのであれば、日本ファンタジーノベル大賞とか、日本ホラー小説大賞とかでも良いと思います。
お礼
回答ありがとうございます。