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なぜ醸造会社は合資・合名会社が多いのか?

なぜ醸造会社は合資・合名会社が多いのでしょうか? 宜しくお願いします。

質問者が選んだベストアンサー

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回答No.3

あなたの質問がそのまま回答になっています。 説明しましょう。 合名会社・合資会社は資本の持ち寄り、資本の集まりで作る「物的会社」、即ち株式会社と異なり、人の集まりで作る「人的会社」と言います。登記簿を見ればお分かりになりますが、株式会社には資本金という項目がありますが、合名・合資会社には資本金の項目がありません。株式会社は資本の持主たる株主と会社の経営陣との関係が密接に関係することが要請されていません。つまり会社の所有と経営が原則切断されています。ですから株主はちゃんと出資さえしていれば株主無責任の原則で会社経営の責任から保護されます。  ところが合名・合資会社は資本の集まりではなく人の集まりですから、出資者がそのまま経営陣で、合名会社は会社債務について無限責任を負う者のみで構成され、合資会社は無限責任社員と有限責任社員で構成されます。 これではあなたの質問に対する回答にはならないのですが、回答までは今しばらく我慢してください。株式会社は19世紀に今のドイツの一地方であった、当時のプロイセンのユンカ-や金持ちたちが鉄道会社を興す時、広く資本を集めるための方法として考え出したものです。彼ら金持ちをしても鉄道会社を始めるのは大変だったわけです。その時に既に株式会社は広く資本を集める意味で資本の集合体であり、資本を誰が出すかということを余り問題とされないという性格を持ち合わせることになり、資本金を出しさえすれば誰でもいいというような性格が株式市場というものになって現れていきます。  ところが合名・合資会社には資本金の概念がないので、広く資本を集めるという性格もありません。株主の地位は株式の譲渡で売り買いも出来ますが、合名・合資会社の出資者の地位は売り買いの対象にならないのです。これはどういうことかというと、その事業を営むについて事業の創業者以外の者が資本金を握ったり、資本金を持つことによって経営に関与することを拒絶出来るという仕組みになります。  そこであなたの質問に対する回答です。  酒・醤油・味噌という醸造業は、その土地の旧家・名家・名望家であることが多い大地主や大金持ち、つまりは資産家によって始められています。酒は相当に古く、醤油・味噌はその後の江戸時代に産業化されていますが、庶民が金を出し合って酒・醤油・味噌を作る組織を始めたという例はありません。全て金持ちが一人か身内一族だけで始めたものです。つまり他人に関与されず身内だけで経営してきました。それが明治時代になり会社制度が作られ、税対策などもあったでしょうが、会社組織にしようとした時、そのまま自分たちの事業経営に最も相応しい合名・合資会社に移行したのです。  お分かりになったでしょうが、金持ちの経営者が身内だけで経営し、他人の資本と経営の関与を排除するための会社組織として合名・合資会社が最も相応しかったというわけです。

luke_icewater
質問者

お礼

造詣の深いご回答有難うございます。知りたい理由を知る事ができ、納得がゆき、すっきりしました。

その他の回答 (2)

  • akak71
  • ベストアンサー率27% (741/2672)
回答No.2

古い会社が多い。 戦前からある会社は、合名合資会社も多い。   最近の会社は、 合名合資会社はありません。

luke_icewater
質問者

お礼

ご回答有難うございます。そうですね、戦前の財閥なども。最近のデータを調べても醸造所しかでてこなかったので、逆に気になりました、、、酒蔵には何か特別な事情でもあるのでしょうか。酒蔵を株式会社にするとかできないのでしょうか、、、

回答No.1

まず、ここをお読み下さい。 http://entre.kokohore.net/company/gomei.html 「すなわち、(合名会社・合資会社ともに)万が一 会社が倒産して多額の借金を負った場合等には、無限責任社員も直接有限責任社員もその負債を全て弁済する義務を負うというものになります。」と書いてあります。 醸造会社が倒産する時ってのは、杜氏などの社員のミスで腐造を起して醸造酒がダメになったりした場合で、醸造に失敗した場合は、実際に醸造に関わっている社員も経営者と一緒に倒産の責任を取ろう、と言う事なのです。

luke_icewater
質問者

お礼

ご回答有難うございます。合名・合資・合同の違いは理解していますが、実際、なぜ醸造所だけに多いか気になりました。社員のミスの責任をとるならば、伝統工芸など古くからある醸造以外の一次産業もそのような形態なのかと、、、

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