結論から言うと入っていく出て行くの両方の場合が考えられます。また、この状態は正常で何の問題もありません。
ただし、現在の自動車では入っていく場合の音でまず間違いないでしょう。ガソリンタンクは完全に密閉されているわけではなく、いくつかの経路で外気と繋がっています。これはこうして置かないと、内部のガソリンが消費されて減るとタンク内部の圧力が下がりしまいには、燃料がタンクから出てこなくなってしまった、タンクが変形してしまったといった不都合があります、そのためタンク内部に外気を導く必要があるのですが、単純にタンクのキャップに通気口を設けるやり方(ディーゼルエンジンのトラックのような方法)はガソリンのような揮発性が高い燃料では危険なので行えません。そこでチェックバルブ(流れが一方通行になるバルブ)を設けた通路が作ってあります。チェックバルブの動作する圧力だけ、タンク内の圧力が大気圧より低くなる可能性があるわけです。ただし夏場などの気温の高い状態ではガソリンのように揮発性の高い燃料ではタンクから出て行くガソリンの容積よりタンク内でガソリンが気化する量の方が多いのでタンク内の圧力は逆に大気圧より高くなります。この場合は揮発したガソリンの蒸気はタンク内に外気を導くのとは別の通路でキャニスターと言う装置に導かれます。ガソリンの蒸気はきわめて引火性が強く、また、大気汚染の原因にもなるのでキャニスター内部の活性炭に吸着させてできるだけ大気中に放出しないようになっています。吸着したガソリンはエンジンが掛かっている状態のときにエンジンに吸い込ませて燃焼させてしまう仕組みになっています。このキャニスター内にもバルブがあり、エンジン停止時にはタンク内が大気圧より高くなった場合にガソリンの蒸気を導くように、エンジン運転時にはキャニスター内部のガソリンをエンジンに導くように働きます。エンジン運転中でかつタンク内の圧力が外気圧より高いときは、タンク内のガソリン蒸気をタンク内の圧力がマイナスにならない範囲でエンジン直接ガソリンの蒸気を吸い込ませる働きがあります。
と言うようなわけで、タンク内の圧力が外気の圧力より多少低く(高く)なり、タンクキャップを緩めたときに圧力の差から音が出ることはまったく異常ではありません。
補足
大変詳しい説明ありがとうございます。そうなんですか、いろいろ複雑な機構が備わってるんですね。ところで、この質問をしたのは、最近なぜかもう一台のほうはいつもどおりスタンドで「シュー」っと聞こえるのに、もう一台の方からその音を聞かなくなったので、どこか壊れる前兆でもあるのだろうか?と思い質問してみました。こうして詳しく説明されると感心と同時に非常に勉強になります。 ありがとうございます。では特にエンジン等で心配する必要はないとのことですね?助かります。