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ブルックナー4番のトランペット
昨日NHKのEテレの午後9時台で、ブルックナーの4番を拝見しました。その3楽章ですが、トランペットが4人いて、向かって一番右側の人が、まったく吹いていませんでした。ほかの3人は一生懸命吹いているのに…。でも、4楽章はちゃんと右端の人も吹いていました。その人はいったいなぜ吹かなかったのでしょうか?楽譜指定でもあるのでしょうか?お分かりになる方ご教示下さい。
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一番右側にいて、なおかつ殆ど吹いていない、ということは、1番トランペットのサブです。 上手い下手、スタミナ等の問題ではなく、よくやられる方法です。 現在のオーケストラはホールが巨大化した影響等で弦楽器の人数が膨れ上がっているために、金管楽器を補強する必要があるのです。 ベートーヴェンくらいまでなら、弦の人数も減らしたりすることもあり、サブを使うこともないと思うけど、ブルックナーやマーラー等ではよくあることです。 ほとんどが指揮者の意向によって決められることですが、トランペットやホルンのパートの中で決めて、指揮者からの反対がなければその通りにする、といったことはよくあります。 TUTTI(全奏)のff部分等だけ参加しているので、そういう部分では金管のアップなどはないだろうから、あなたが見ていなかっただけだと思うよ。
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- gldfish
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no.1です。 トランペットやホルンやトロンボーン等は特に発音の安定性に欠けることで知られた楽器で、「一流プレイヤーならミス無く完璧にこなせる」等というのは訳が違います。その楽団の木管のトップ奏者のプレイを最低限の100点とするなら、トランペットやホルンの多くのトップ奏者はそこまで至っていないと考えていいです。極端な話になりますが「他の同業者よりは上手い」程度でトップなのです。 「スタミナが持たない」というのも、息で体が疲れるのではなく、金管楽器の発音構造上の「唇への負担」と言った方が近いと思います。これは訓練で完全に解決出来るというものではなく、「人間の体が発音体そのもの」という金管楽器特有の構造上の理由と、個人差のレベルです。 トランペットやホルンといった楽器は、一流楽団でも「聴くからに上手くない」奏者が珍しくないのは一目瞭然です。例えば、解り易いところでN響なんかでも、率直に言ってソロや一番を担っているトランペット奏者ですらも殆ど上手いとは言えないです。それはちょっと観ればおわかりかと思います。 とは言っても、海外の一流楽団のトランペットやホルンでも、この程度の「非完璧さ」はさほど珍しいことではないのですが・・・・もしこれを知らないのだとしたら、その人はよほど金管楽器が単純で簡単な曲・・例えば古典派のような曲ばかり聴いているのではないかと疑ってしまいます。 こんな素人目でも見るからに難のあるプレイヤーが多いパートで、「プロが演奏技術的に困難というのはあり得ない」と言い切るのはかなり無理あります。 勿論、楽団に直接確認した訳ではありません(そんなのほぼ不可能ですし・・)が、「プロでも理想的な演奏をすることは難しい」ということは、つまり「それを何かしらの形で補っている」可能性は充分あると思うのです。出来ない(あるいはその可能性がかなりある)なら「パート3人でこなすこと」にこだわっている場合ではないですから。複数のプレイヤーを交代する、あるいは同時に演奏する、というのもその解決法の1つでしょうね。トランペットやホルンはその発音構造故に、音色や技術的上手さといった個人差がとても出易い楽器なのです。だからこそ前の方のお話にもあるように「曲のその時々の方向性により、細かく奏者を入れ変える」ということもあり得るのですね。 まぁトランペット奏者共通の「上手く出来ない時の解決法」という一般論がある訳ではないでしょうけど、そういう様々な解決法あってこその各楽団の「色」なのだと思いますね。
お礼
度々ありがとうございます。プロってそんなにミスるのですか?人間である以上、しかたないのかもしれませんが…。
No.1の方が、いろいろなケースについて書かれていますが、ブルックナーの場合は、その2番目(スタミナが持たない)のケースだと思います。 ブルックナーやマーラーでは、トランペットやホルンは、大音量で朗々と演奏する部分と、小編成の弱音の中でデリケートな演奏を要求される場合とが混在しています。大音量や長期間吹き続けた後に、デリケートなソロがあると、音色が貧弱になったり、音をとちるリスクが高くなる場合には、大音量・長期間の部分を吹く奏者と、弱音のソロ部分を吹く奏者を交代することは、よく行われるようです。「スタミナが持たない」というよりは、「音色」や「音楽表現重視」という発想だと思います。 これが行われるのは、トランペットとホルンに多いようで、トロンボーンや木管ではあまり行われないと思います。やはり、トップ奏者に音量と音色の強弱・明暗の両面を要求される楽器、ということだからでしょう。 2人で適当に分担する、ということもあるようですが、プロの場合は「正奏者」とそれを補助する「アシスタント」のペアとなることが多いようです。 生の演奏会を聴くときに、そういった「目で見る」部分にも注目して聴いてみるのも面白いと思います。 なお、No.1の方が書かれている「盛り上がる部分で主旋律の音が埋もれないように強める」というのは、一昔前(カラヤンなども)は音を強めるために2人で重ねる(「倍管」と言います)こともありましたが、最近ではオリジナル重視で音を重ねることはせず、2人で演奏する場合は交代交代で音は重ねない、というケースが多いようです。 「演奏技術的に困難で、本来の1人では手に負えない」は、プロではあり得ないでしょう。(そういう奏者はトップ奏者にはなれない) 「サポート側が上手い人あるいは慣れている人で、難しい部分だけサポートしている」も、プロではあり得ないと思います。
お礼
確かに聞いていても、大変疲れてしまいそうな曲でした。「倍管」という言葉初めて聞きました。ありがとうございました。
- gldfish
- ベストアンサー率41% (2895/6955)
その曲の楽器編成を調べましたところ、トランペットは一般的な管弦楽の編成の3本のようですね。 おそらくですが、1番奏者のサポートというところかもしれません。意図としては、 ・その楽団のtrp.1の音量が弱く、盛り上がる部分で主旋律の音が埋もれないように強めている。 ・その部分で高音の動きや大音量が長時間続く(金管楽器にとってこれは大変にハードです)等して、trp.1のスタミナが持たない。 ・その部分のtrp.1が演奏技術的に困難で、本来の1人では手に負えない。 ・あるいはその逆で、サポート側が上手い人あるいは慣れている人で、難しい部分だけサポートしている。 ・・・そんなところではないでしょうか。
お礼
了解です。確かにボリュームのある曲でしたね。サポートが必要なわけですね。ありがとうございました。
お礼
お世話様です。楽譜指定ではなく、その時のオケと指揮者の呼吸なわけですね。ありがとうございました。