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予防接種 同時? 13価肺炎球菌結合型ワクチンとは
三種混合とHIBと肺炎球菌は、病院によっては1wあけないといけないようですが、 同時接種しないほうがいいのでしょうか?? それから、13価肺炎球菌結合型ワクチンは日本ではまだ未認可のようですが、海外で生活する予定で 、 海外で予防接種をうつか迷っていますが、13価肺炎球菌結合型ワクチンの安全性はいかがなものでしょうか?? わかるかたよろしくお願いします。
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DPT(三種混合)、ヒブ、小児用肺炎球菌の各ワクチンは3つ同時接種できます。 同時接種後7日以内の死亡例が大きく報道されたため、不安を感じる保護者の方が多いようですが、全体を見て統計をとると同時接種が問題ない接種法であることがわかります。 健康なお子さんだったのに原因不明のまま亡くなる0歳の死亡例が日本では毎年500人前後おられます。 もともと基礎疾患がありそのために亡くなる方や明らかな死因がはっきりしている0歳の死亡例は2000人おられますので0歳の死亡例は合計2500人/年おられます。 日本人の基礎疾患をもたない0歳児は100万人おられるので、健康な0歳児が任意の1週間に原因不明のまま亡くなる確率を計算すると約1/10万/週です。感染症や窒息、心疾患など原因が明らかなお子さんを含めると5/10万/週に増えます。 一方、平成23年1月から3月までに同時接種をうけた0歳児は厚労省の統計から約30万人おられますが、この中で原因不明の死亡例は2名、基礎疾患を持っておられる方は2名ですので、原因不明のまま同時接種後1週間以内に亡くなる確率は0.6/10万であり、原因の明らかな死亡例を含めた場合も1.2/10万となり、同時接種後1週間の死亡率は同時接種をしない乳児の1週間の死亡率を下回ります。 平成22年には数十万人の同時接種を実施しましたが、その時の同時接種後死亡例は1名だけでしたので同時接種後の死亡率はさらに低くなります。 確率で考えれば同時接種後の死亡率は同時接種をしない健常者の死亡率よりも低いため、同時接種は安全だとわかります。 一方、ヒブワクチンと小児用肺炎球菌ワクチンは同時接種をした方が死者が大きく減ることが知られています。 これらのワクチンは、毎年合計1000人の髄膜炎から乳児を守ってくれる「よろい」のような武器です。敵の細菌は生後2か月から容赦なく襲ってきます。生後2か月から12か月の間に約500人以上が生死の境をさまようことになるのですが、「よろい」を身に着けるのが1か月遅ければ50人が髄膜炎になります。同時接種を避けて接種を1週間遅らせれば10人以上が髄膜炎になります。同時接種にすればこれらの赤ちゃんの生命が確実に守られます。実際、同時接種を避けて単独で接種した結果、予防が間に合わず髄膜炎になり後遺症を遺した症例報告を学会などで何例か聞いています。そのような症例が全国では多数おられることでしょう。 日本の赤ちゃんをしっかりと守るには、2か月になったらすぐに同時接種をしてできるだけ早期に接種を完了することが重要です。 日本小児科学会が同時接種を強く勧めているのは、赤ちゃんの生命を一人でも多く守るためです。 以上のような理由から、同時接種ができるにもかかわらず一つずつ単独で接種することは「危険な行為」として海外の小児科医は絶対に勧めません。これは、思想の違いでもなく、民族的な体質の違いでもなく、純粋に生命を守るための「医学的な判断」です。 kokoko18様のお子さんも月齢がわかりませんが、生後2か月を過ぎておられるのであれば、海外の13価小児用肺炎球菌ワクチンを待つのではなく国内の7価小児用肺炎球菌ワクチンを少しでも早く接種して(他に必要なワクチンは同時接種で)お子さんを守っていただきたいと思います。 なお、13価小児用肺炎球菌ワクチンは作り方が7価とほぼ同じであり、海外での販売後の安全性報告でも7価ワクチンに劣っておらず、効果は7価よりも6種類多い分優れていることがわかっています。 7価ワクチンで接種開始し、途中から13価ワクチンに切り替えて接種することも可能です。 13価ワクチンの安全性は以下の論文で各国で検証されていますし、7価ワクチンからの切り替え接種法は最後のCDCのレポートの一番最後の(Table3)に載っています。この方法は転居先の国にもよるかと思いますが、13価ワクチンが導入されている先進国の小児科医であればほとんど知っていると思いますので切り替え接種法は現地でお尋ねください。 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21507921 http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/21335032 http://pediatrics.aappublications.org/content/126/3/e493.long http://pediatrics.aappublications.org/content/125/5/866.long http://cvi.asm.org/cgi/content/full/17/6/1017?view=long&pmid=20427630 http://www.cdc.gov/mmwr/preview/mmwrhtml/mm5909a2.htm なお、有料でもいいから日本で13価ワクチンを接種したいとお考えならば、輸入ワクチンを取り扱っているトラベルクリニックにお問い合わせください。トラベルクリニックは以下の厚労省サイトから検索可能になっています。ただ、国内の13価は高価ですし7価ならほとんど無料に近い値段ですので、国内では今のところ7価で接種し海外に行ってから13価に切り替えられるのが良いと思います。 http://www.forth.go.jp/useful/vaccination02.html (全部英語の論文ばかりですみませんが、訳す時間がないためアウトラインだけ書かせていただきました。)